まるで今にも着水しそうな低さで
何も無かったみたいに飛び続けるんだ


周りから聞こえてくる「今にも落ちるぜ」って
嘲笑と囁きにサムアップして海面を滑空
さざ波と風切る音に耳を傾けながら
フルリラックスこちら海面5センチメートル

誰も見向きもせずどのレーダーにだって
存在意義や価値も理由も全部捨ててきた
手を伸ばせば真っ暗な海なのも日常茶飯事
ゆるスロットルこちら海面5センチメートル

極低空飛行は飛ぶ力を倍にするって知ったんだ
きっと周りはもうダメだアイツって思ってる
どん底で諦めてる可哀想なヤツだってきっと
あぁちょっとトビウオにあいさつしてただけさ


周りから聞こえる「ローリングも出来ない」って
悪口と見くびりにサムダウンして面舵いっぱい
海鳥たちの思い出話に耳を傾けながら
フルスマイリングこちら海面5センチメートル

波に隠れちゃえばもう目視でだって無理さ
背中は海の色だから衛星もパパラッチ出来ない
凪いだ夜も焼き付く朝も力を抜いて前へ前へ
フライトセラピー？こちら海面5センチメートル

水中で無く大空で無く陽炎に紛れる水平線で
大海原を味方にして飛び続けるよこれからも
多分色々聞きたいことも有るかもだけれどさ
そういうのは僕を見つけてからにして欲しいな


トビウオと水鳥と月と星と太陽とそして海
きっと誰かが僕を「孤独だ」って言うんだろ？
「誰も乗せてない」って「何も届けてない」って
そうだね君の言う通りでもねメチャクチャ楽しいよ！

トビウオは海を泳げることを自慢しないし
海鳥は空を飛べることをひけらかさない
太陽が闇を照らすことで威張らないし
月は静かに話を聞いてくれるんだ

つまりそういうことじゃないの？

海面5センチメートルの幸せを今日も
誰も待ってないし望んでいないけど
ここにいられること全てが僕の誇りさ
きっと何処へだって飛んでいける

いつか会えたら気付いたら手を振って
陽炎の向こうにサムアップが見えるかも