ブレイクのコールが響いた。辺りは大分暗くなって来た。皆とはぐれてしまったし何より疲れたな。体力勝負では敵わないだろうし、ゲルニカや皆も怪我をしたら大変だな。

「ゲルニカ、どうしようか?」
「ラビット!」
「わぁっ?!…クラム…それにハレルヤ?」
「丁度良かった、貴女にこのプレートを預けようと思ってたんです。」

どうしてクラムとハレルヤが一緒に居るんだろうか?そしてこのプレートを一体どうしろと言うんだろうか?

「ブレイクするかどうかは貴女に任せます。」
「じゃ、俺等逃げっから!」
「え?え?おい?!」

渡されたプレートはスナイパーの物だった。そう言えばチコリは私のプレートをスナイパーに渡していたんだったな、では合流した方が良いだろうか…。

「うわっ!!グリフォン来た!!」
「真っ黒過ぎ!!」
「ママー!!恐いよぉおお!!!」

一般客のざわめきの方を見ると真っ黒な奴がこっちへ歩いて来た。何だか判らないが逃げた方が良さそうだ!

――カァー!カァー!
――チュンチュン…

「皆!頼む!」

鳥達が一斉にグリフォンに攻撃を仕掛けた。この隙に逃げれば…!

「わっ?!」

いきなり視界が真っ青になって、重い物が身体の上に落ちて来た。訳が判らずバタバタともがく。これ…ビニールシートか…?まずい、出られなく…!

「ラビット!大丈夫?!」

名前を呼ぶ声と共に急にバサッとシートが翻った。びっくりして目を開けると、やっぱりまだ羽毛塗れのスナイパーが居た。…羽をはらえば良いのに…。助けて貰ってこんな事言うのはなんだが正直マヌケだ。

「…グリフォン…。」
「こいつ!」
「撃って良いのか?!」
「ただのゴム弾!走って!」

それでも撃っちゃいけないとは思うんだが…。スナイパーに撃たれて少し怯んだグリフォンから急いで逃げ出した。追って来ないのを確認すると私達はカフェテラスの近くの植え込みに座り込んだ。

「あーっつい!誰なんだよ?!グリフォンってー!」
「ゲルニカ…?何…え…?」
「好奇心は猫を殺しますよ…ラビットさん…。」
「えっ…?!」

声に振り返った瞬間、バスタオルがいっぱい降って来た。

「『スナイパー』『ラビット』ブレイクです。お疲れ様でした。」
「おっとぉ?!ここで『スナイパー』と『ラビット』がブレイク!!果たしてグリフォン
 は誰なのかー?!」

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

DollsGame-126.グミ-

この口調、そして残っているのは…

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投稿日:2010/09/19 11:55:23

文字数:993文字

カテゴリ:小説

ブクマつながり

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