春が来ました
桜が咲いて 通学路を綺麗に染めていくのに
そんなことを見ている余裕は
残念ながら私にはなくて
真っ赤な目で くしゃみをひとつ
忌々しい春め
自転車をこぎながら
どこかで聞こえた音は 聞こえなかったことにした
前はこんなんじゃなかったとか
前は平気だったのにとか
そんなこと言ったところで変わらないので
とりあえず比較するのは止そうと思う
もう春ですよ
止まらない衝動はどうしようもないと思う
私の悪い癖を止めてくれる手は
もうないので 目をこすりながら
泣き止めないのです
力尽きるように倒れ
かすむ意識の中で見た 夢はなかったことにした
今はすごくつらいけど
これからはきっと 今ほど目を赤くすることなく
桜をちゃんと見れると思う
泣き笑いで 舞い降りた桜を見下ろした
きっと軋んで惑わされて
くるくる まわりながら
くしゃみと一緒に
置いて行ってしまおうと思う
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