玩具屋カイくんの販売日誌(150) 「つんでれ」で、はっちゅーねとの夜
投稿日:2012/04/22 22:13:22 | 文字数:1,147文字 | 閲覧数:58 | カテゴリ:小説
ひところアイボとかプリモプエルなんかがワッと出ましたね。いまはむしろDTMとか読み上げソフトとか、そういう分野の方に目が行きがちな感じがしています。
「ね、マスター。あそこにある人形、“はっちゅーね”でしょ」
りりィさんは、カクテルを飲みながら、話しかけた。
「そうですね」
グラスを拭きながら、吉さんはうなずいた。
「かわいいわねー」
ゆくりさんも、目を細めて人形を見る。
夜には、バーのスタイルになる、「カフェ・つんでれ」。
ゆくりさんとりりィさんは、ひさびさにくつろいだ時を過ごしている気がした。
カウンターの向こうの隅には、2人連れの男女がいる。
それは、ミクさんとカイくんの兄妹だ。
2人の前には、ちょこんと一つ、人形が置かれている。
●人の話に反応する…
「でもあの人形、ちょっと変わったところがある…ってウワサですね」
りりィさんは、話を続けた。
「ええ、いろいろね、ウワサがあるらしいですね」
と、マスター。
「そうなのよー!なんかねー、人のハナシに反応するんですって―?うわッ」
ゆくりさんが勢い込んで言い、飲んでいたコーヒーをカップからこぼしそうになった。
3人がしゃべっていると、その声に気づいてか、ミクさんがこちらを向いて、会釈している。
ゆくりさんとりりィさんは挨拶をした。
「どうも」「こんばんはー!」
ミクさんたちも、笑って挨拶をかわす。
●人の声に返事をする人形
「それ、“はっちゅーね”ですねー?」
「すてきな人形ですね」
「ええ、ありがとうございます」
ゆくりさんたちの言葉に、笑顔で答えるミクさん。
「それは、言葉を返す“答えるロボット”みたいな、ものですかー?」
「ええ、そうなんです」と、カイくん。
「えーとー」
ゆくりさんは、人形を見つめて、大きな声でゆっくりと話しかけてみた。
「こんにちはー!」
人形は、静かに首をこちらに向けると、幼い女の子の声で言う。
「コンニチワ ハジメマシテ」
「まあ、かわいい!」
2人は微笑んだ。
●ただ、しゃべるだけではなく...
「人と話ができる仕組みって、楽しいですね。コトバはいっぱい、しゃべるのかしら」
りりィさんが、人形を見つめて聞いた。
「はい、それがですね」
目を見ひらいて、カイくんが言う。
「フシギなんですけど、ただしゃべるだけでなく、どうやら、コレには“心”があるみたいで…」
「アニキ!」
何気なくしゃべろうとするカイくん。それを素早く制して、ミクさんは言った。
「いえいえ、普通のあいさつとか、日常会話くらいなんですよ」
「かわいらしいお人形ですね。こんど、ぜひ、ウチの店でも扱ってみたいわ」
りりィさんは笑って言った。
その時、話をしている4人には聞こえなかったようだが、
マスターの吉さんは、かすかに人形がしゃべったように思った。
「ゼヒ、アツカッテ、クダサイ」(^._.^)
オススメ作品10/27
-
Crazy ∞ nighT【自己解釈】
彼女たちは物語を作る。その【エンドロール】が褪せるまで、永遠に。
暗闇に響くカーテンコール。
やむことのない、観客達の喝采。
それらの音を、もっともっと響かせてほしいと願う。それこそ、永遠に。
しかし、それは永久に続くことはなく、開演ブザーが鳴り響く。
Crazy ∞ nighT【自己解釈】
-
【カイメイ中心合同誌】36枚目の楽譜に階名を【サンプル】
*3/27 名古屋ボカストにて頒布する小説合同誌のサンプルです
*前のバージョン(ver.) クリックで続きます
1. 陽葵ちず 幸せだけが在る夜に
2.ゆるりー 君に捧ぐワンシーンを
3.茶猫 秘密のおやつは蜜の味
【カイメイ中心合同誌】36枚目の楽譜に階名を【サンプル】
-
無表情ドジっ子真由美さん【KAITOオリジナル曲】歌詞
無表情ドジっ子真由美さん
今日もSuicaにチャージしようとして
間違えてゆうちょのカード入れてたよ
後ろに人が並び始めて
しばらくしてから気づいたけど
無表情ドジっ子真由美さん【KAITOオリジナル曲】歌詞
-
Twilight ∞ nighT【自己解釈】
いったいどうしたら、家に帰れるのかな…
時間は止まり、何度も同じ『夜』を繰り返してきた。
同じことを何回も繰り返した。
それこそ、気が狂いそうなほどに。
どうしたら、狂った『夜』が終わるのか。
Twilight ∞ nighT【自己解釈】
-
或る詩謡い人形の記録『雪菫の少女』
雪の降る国 名将と名を馳せた
若き一人の 少女の話
権力も財産も 彼女はいらないけど
戦場へ…
噂だけはとおくとおく広がり 武勲をしらぬものおらず
或る詩謡い人形の記録『雪菫の少女』
-
sweet cage
自由になって 自由になって でも戻りたい
自由になって 自由になって 二人のsweet cage
僕は君を傷つけたかもしれない
君は僕を傷つけたかもしれない
冷めていくよりも思い出になること
sweet cage
-
未定
一人歩く姿を、見つけ閉じ込めたあの夜の日。なにから探そうか?何を落としたのか?さ迷い歩いた。拾い上げるものは全部見たことのあるものばかり。君は気づいてたかな、ホントは僕分かっていたんだ、いつも
ない答えの中もがく日々で、きみの手触れるように取り、
照らす光の方へ、明るい方へ、明日がある方へ、僕がいなくたって
未定
-
狂い世界
お前が笑うと苦しい
この世界は黒と白に別れて
白は黒を悪だと決めつけていた
光があるから影がある
そんなことすら分からないなんて
狂い世界
-
【VanaN'Ice】背徳の記憶~The Lost Memory~ 2【自己解釈】
少女の後を追って建物の中に入ると、そこはまるでどこかの屋敷のようだった。
「ひ、広い…」
「…そう?普通ですよ」
「え…」
「むしろ…けっこう前に住んでた家に比べると…狭いほうです」
【VanaN'Ice】背徳の記憶~The Lost Memory~ 2【自己解釈】
-
月華【歌詞応募】黒白熊@熊野P様
【1】
《A》
8 月明かり透ける
8 絹の糸浮かび
8 織りあがっていく
月華【歌詞応募】黒白熊@熊野P様
雑貨の仕事をしてます。
キャラクター雑貨がらみで、キャラクターも好きです。
音楽も好きですが、好きな曲の初音ミクバージョンを聴いて感心!
ボーカロイドを聴くようになりました。
機会があれば、いろいろ投稿したいと思ってます。
宜しくお願いします。
twitter http://twitter.com/tamaonion