渡された封筒の中には一枚の紙があり、こう書かれていた。
『鉢かづき姫は鉢かぶる、仕事はみんなの飯作り
姫を哀れと思うなら、鉢ごと担いで花畑』
『鉢かづき姫』を検索して大体のストーリーを見ると、鉢が顔から取れなくなった美しいお姫様の話、との事だった。つまり『姫』役の誰かは鉢を被せられて、えーと『みんなの飯作り』って事は厨房かラウンジだろうか、一先ずラウンジには見当たらないので厨房に向かった。
「おーい、誰か居るかー?」
「む?」
声がした方を振り返った。そして思わず吹き出した。
「あははははははは!!!にんにく戦士~~~!!!面白ぇ~~~!!!超強そう!!!」
「笑うな~~~~っ!!こっちは真剣に困ってるんだ!!」
「ぶはははは!!しゃ、喋った!!にんにく戦士喋った!!腹痛ぇ!!ゲッホ…ゲホゲホ!!」
一頻り笑い飛ばしたせいか『姫』はすっかりヘソを曲げてしまった。サイズと声で判断する限りラビットだな。涙目を擦りつつ謝ってみる。しかし座っててもにんにく戦士にしか見えない…あ、ヤバイ気を抜くとまた笑いが…!
「重いし前は見えないし困ってるのに…。」
「ごめんごめん…えーと、ラビットだよな?」
「よく判るな?ゲルニカも居ないのに。」
「いや、判り易いと思うよ。」
話を聞いてまとめると、ラビットのニンニクヘッド…もとい鉢はロックが掛かっていて取るには鍵が必要らしい。そしてその鍵は手紙に書いてある、とだけ言われたらしい。手紙を見る限り『花畑』に行けば良さそうだ。
「良し、じゃあ花畑行ってみるか。」
「ま、待て!お前誰だ?」
「は?」
「見えないし声も良く判らないんだ!名乗れ!」
「名乗れって…シャルロットです。」
「シャルロットだったのか、良かった…。」
「良かった?」
「何でもない!」
ラビットは俺を認識していなかったらしい、と言うか何をどう見てもにんにく戦士にしか見えず笑いを堪えるのが精一杯です、なんて言ったら怒るだろうから言わない。軽く手を取り歩こうとすると、ラビットが足元の僅かな段差に盛大に躓いた。
「わぁあああ?!な、何だ?!何がある?!」
「…おぶろうか?そのままだと危ないし、抱っこだと首が痛そうだし。」
「何だと?!お、重いぞ?!」
「別に良いよ、お姫様なんだろ?はい、掴まって。」
「ぬっ…?!し、仕方無い、目に鼻は代えられないしな!」
「背に腹は…ね。」
にんにく戦士、じゃなかった鉢かづき姫を背負う。確かに少し重いし鉢が時々頭に当たるが、まぁ何とかなるか…。
「良し、早く花畑へ行こう!」
「はいはい、かしこまりました、お姫様。」
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にんにく戦士!
コメント1
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帝唖
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ヨナフラグ・・・ON!
2010/08/21 20:12:07
安酉鵺
甘い、まだまだ!
( ̄ー ̄)†
2010/08/21 20:17:16