デビー・へムロック

Chivo_rit_hi

弟月訪れた街の中君は寂しさを纏っていて
白い息を吐きながら言うんだ
「ツリーに飾りをつけましょう！」　

君は君の名前が初めから嫌いで　
僕は君のことが初めから　

雪の色に塗り重なる
この感情の名を教えてくれよ
重く重く心を奪っていくんだ
君は僕に振り向いて「またね」っていうけど
さよならの前に消して溶けない魔法を

師走の日君は僕に毒を盛った
気付けば視界は凍っていて
夜も眠れない猛毒さ冬の寒さも君には敵わないね　　

じきに飾り付けが終わるよ
明日には僕も此処を去るよ

雪のように積もりゆく
この記憶は僕ら二人に
深く深く愛を育んでいくんだ
君は目を閉じていておやすみも言わずに
最後に囁くんだ君の嫌いな君の名前を

雪が街に降り積もる　
もうすぐ終わるクリスマス
僕の飾る鈴が寂しさ紛らすだろう
君の柔い頬に触れて「またね」って呟いた
嫌いにならないで僕の愛した名前を
さよならの後に残る溶けない魔法