特別編 西洋史概論
みのり「今日は特別編だよ!」
満「そういうこと。ボカロとは全く関係ないが、西洋史の概論をやることになった。」
みのり「『ハルジオン』を読み進めるにあたっての基礎知識になる部分になるんだよね。」
満「そうなる。説明文だけでは書ききれないので本文に登場だ。ただ、会話でやり取りすると旨く説明できないので、レポート形式で文章が展開する。」
みのり「そうなの!だから興味のない人は読み飛ばしてね。レイジさんの記憶を頼りに、学校の教科書をまとめただけの文章だから!」
満「試験対策に使うには内容が甘いので注意してくれ。試験はもっと細かい内容が出題されるから、ちゃんと勉強してくれよ。」
みのり「そういうこと。それじゃあ早速始めましょう!」
ども、レイジです。
と言うことで今回は西洋史概論になります。
と言っても年号を覚えても面白くないので、ざっくりとした流れを掴んで頂ければ幸いです。(俺は暗記が嫌いなので、歴史の流れを把握するようにして勉強したので・・。)
さて、西洋史を考えるにあたって忘れてはいけない、最も重要なポイントがあります。
キリスト教です。
ここではキリスト教を視点に当てて、権力構造の変遷を追って行きましょう。
ます古代ローマ時代。当初ローマ帝国はキリスト教を異教徒として迫害を進めていきまた。しかし、キリスト教信者の増加数は半端なく、とうとうローマ帝国はキリスト教の迫害を諦め、逆に統治に利用する為にキリスト教を国教とすることにしました。
その後、ローマ帝国は東西に分離し、西ローマ帝国はゲルマン人の大移動により滅びます。ゲルマン人は東方の異民族フン族の侵攻によりその住処を失い(今の東欧に当たります)、住処を追われたゲルマン人が西欧へと攻めてきたからです。そして西ローマ帝国滅亡後に現在のイギリス、フランス、ドイツなど、欧州の主要国家の元となる国が設立されることになりました。
この時代から中世が始まるのですが、中世はある意味特徴的な時代でした。まず、一番の権力者は各国の皇帝や国王ではなく、キリスト教徒の中で最高位の権力者である教皇であったのです。つまり、当時欧州で一番偉い人は教皇であったのですね。国王といえども教皇に逆らうことができなかったのです。その象徴的な事件が「カノッサの屈辱」であったでしょう。(1077年のことです。)これはハインリヒ四世と言うドイツの皇帝が当時の教皇グレゴリウス七世と争い、ハインリヒ四世が破れてグレゴリウス七世に土下座して謝ったという事件です。(実際は土下座してないです^^;。言葉のあやです。)
そうして教皇の権力は絶対的なものになるのですが、しかし十字軍の失敗によりその権力は徐々に失われていくことになります。(十字軍は1029~1270年の間に七回行われます。)そもそも十字軍とは東方から勢力を急激に増加させてきたイスラム教徒に対抗する為に編成されたものです。当時のイスラム王国の力は強大でした。なにしろ地中海を挟んでアフリカ側の沿岸は全てイスラム教徒に、西は現在のスペイン、ポルトガルの位置までイスラム教徒の国家が成立していたからです。しかし、結局全ての十字軍は失敗しました。その為に教皇の権力が大幅に低下することとなったのです。
しかし、十字軍が後世に残したものは非常に大きなものでした。まず、戦を通じて貨幣経済が進展し、都市や商業が発展しました。それと同時にイスラム文化の流入と、古代ローマ文化を長く保存していたビザンツ帝国(東ローマ帝国)から多くの知識人が西欧に亡命してきました。(※ビザンツ帝国はイスラム教徒の国、オスマントルコ帝国により滅亡しています。)その結果、お金があって、知識がある人が西欧に集まったのです。その力は文化に向かいました。それがルネッサンスです。
ルネッサンスは数多くの変化を欧州にもたらしました。その一つがコペルニクスの地動説です。そして科学の発展がみられました。ルネッサンスの三大発明と言われる、火砲(要は大砲)、羅針盤(コンパスのこと)、活版印刷術の発明はその後の欧州に劇的な変化をもたらしました。
その一つ、羅針盤に焦点を当ててみましょう。この発明のおかげで、人は大洋に向かう力を得ました。海のど真ん中でも方向を確認することが出来るようになったからです。そしてコロンブスが新大陸、つまりアメリカ大陸を発見しました。そして大航海時代が幕を開け、欧州が世界を席巻することになりました。
二つ目の火砲はそれまでの戦争の常識を変えました。それが発展して、火縄銃となり、拳銃となり、誰でも(訓練を受けていない人間でも)戦を行うことができるようになりました。その一つが種子島にも輸入され、日本で独自の改良を施されて増産された上で、日本史の戦史を変えた戦い、織田信長の長篠の戦で使用されることになります。
三つ目の活版印刷術の発明で、それまで手書きでコピーするしかなかった本を大量印刷出来るようになりました。そして聖書が大量に印刷されることになるのです。
その聖書を熟読し、一つの疑問を持った人物が現れました。ルターです。当時、力は衰えたとはいえ未だ権力構造のトップにいた教会組織は腐敗しきっていました。(長期に渡って権力を握った人物、或いは団体が腐敗して行くことは世の常であると俺は考えています。日本だって自民党という例がある・・。)教会はいつしか人々の精神を救う存在から、人々から金銭を搾取する為の組織へと変化していました。しかし、聖書にはその様なことは書いていない。もう一度、聖書の教えに立ちかえるべきだと考えたルターは教皇に対しての問題提起を行いました。それが九十五カ条の論題です。その考えは広く貴族、農民、市民の支持を受け、欧州に宗教改革を引き起こしました。そして、教皇の権力は完全に失墜したのです。その新しいキリスト教をプロテスタントと呼んでいます。対して従来のキリスト教をカトリックと呼んで区別することになりました。(尚、余談になりますが、宗教改革により流石のカトリック教会も反省し、心を入れ替えて新たに布教活動に励むことになりました。その一人が日本にキリスト教を伝えたフランシスコ=ザビエルです。)
さて、こうして教皇の権力は失墜した訳ですが、次に欧州で権力を握った存在が各国の国王でした。ようやく権力を握った国王はそれぞれの国の中央集権化を進めることになります。そして、絶対君主制が成立することになります。有名なパリのヴェルサイユ宮殿もこの時期に建築されたものです。ルイ十四世などの絶対君主は重商主義政策をとり、商業の発展と国力の増強を推し進めました。
その中で、力を持ち始めた階層がありました。ブルジョワジーと呼ばれる平民達です。彼らは世界各地に広がった植民地との交易や、中央集権化により都市化が進んだ各国の首都で力を蓄えてゆきました。また、絶対君主が展開した重商主義政策も彼らの力の後押しをしてゆきました。(ちなみに前回の説明文で書いた、産業革命→市民革命という流れ、実は間違えました!!大航海時代による植民地貿易→市民革命→産業革命という流れです。ごめんなさい!でも『ハルジオン』では大航海時代が発生していないので、やっぱり市民革命が起こる条件が揃っていないorz。なんで大航海時代を起こさなかったかって?そりゃ話が複雑になりすぎるからです。)
そしてもう一つ。ルネッサンス以降に発展していた科学が集大成を迎えつつありました。啓蒙思想と言われる考えのことです。理系としての科学だけではなく、人間の存在意義を問う社会科学も合わせて発展して行ったのです。即ち、主権者は誰か?という命題を学者たちは問うことになったのです。
主権者は国王か?
それとも一人ひとりの人間か?
一人ひとりの人間の生存権を重視した結果、ルソーと言う人物はこう結論を出しました。
主権(≒最高権力者)は国民にある、と。
即ち、ルソーは国王が最高権力者であるという考え方を否定したのです。
このブルジョワジーの発達と、国民主権という啓蒙思想の完成が市民革命の下地となりました。まず、イギリスで名誉革命が発生しました。しかしこの革命はとても穏健なもので、国王は存在したまま、政治の主体は国民が握るという形となりました。(だからイギリスは現在も王室を有しているのです。)次に、アメリカで独立戦争がおこりました。当時イギリスの植民地であったアメリカは見事独立を勝ち取り、民主主義国家としてスタートすることになりました。
そして、最も血が多く流れた革命がおこりました。
フランス革命です。
国王を倒す為の思想的根拠は啓蒙思想が与えてくれました。なぜなら最高権力者は国民であって、国王ではない。だから、国民が国王を打倒することは正当な行為なのです。
その為に必要な資金はブルジョワジーが用意しました。それほどまでの富をブルジョワジーは蓄えていたのです。
そして彼らは国王を捕え、そして処刑しました。国王に権力を認めなかったからです。しかし、新しく生まれた民主主義国家フランス共和国は当初大混乱に陥りました。その混乱を抑えて全ての権力を握った人物がいます。それがナポレオンです。ナポレオンは国民投票により自ら皇帝となり、絶対的な権力を握りますが、ロシア遠征に失敗したナポレオンは結局戦に敗北し、セントヘレナ島へと流刑されることになり、失意のうちに人生を終えました。
続きは次回!(あるかは分かりませんが^^;)
時間があれば書きます☆
コメント1
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ご意見・ご感想
twilight000
ご意見・ご感想
一通りここまで読んでみましたが、難しいですね^^;
自分の苦手教科は社会で中でも歴史は苦手ですね;ω;
向日葵さんのように何度か読み返して頑張って理解しようと思います♪
続きの執筆頑張ってください、応援しています☆
2010/04/04 00:26:24
レイジ
前作よりもよりハードになっている文章を呼んで頂いてありがとうございます☆
読むの大変だったと思います。。。
歴史苦手ですか・・そうですか・・。
歴史=暗記科目と考える人が多いので、そのあたりが歴史のとっつきにくさを生んでいるのではないかと考えて、いろいろ試行錯誤しています。
俺は歴史が好きなので、まあ一種の布教活動ですね(笑)
もう少し後の方になると割合分かりやすく歴史について記載した投稿がありますので、是非読んでみてください☆
苦手な歴史を攻略するきっかけとなれば幸いです。
応援のお言葉ありがとうございます!
続けて頑張って執筆して行きますので、ご支援お願い致します♪
2010/04/04 01:47:24