蛇神様は人の子を愛する10

投稿者: usericonエリーさん

投稿日:2020/09/04 02:42:12 | 文字数:1,152文字 | 閲覧数:16 | カテゴリ:小説

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麗は確かになぎさの嫌がることはしなかったがなぎさの体中に口づけの跡を残した。
強く吸われ一瞬怖かったなぎさだが徐々にその感覚を受け入れた。
「も~・・・麗は何でああなのだろう」
真っ赤になり神域の中にある泉まで気分転換をしにきた。
切り株に腰を下ろし、なぎさは一人呟いた。
「確かに嫌がることはしなかったけど・・・」
ふいに自分の胸元が見え、忘れたいことが頭をよぎった。
少しでも恥ずかしさと顔の赤みが引くように願いながら泉の水で顔を洗った。
気が付くと着物が水浸しになっていたが気候と天気が良いので寒くはなかった。
(そろそろ戻らないと何をされるかわからないわね)
そう思い立ち上がった。
その時だった。
上から桜の花びらがひらひらと落ちてきた。
「わっ、綺麗」
なぎさは足を止め桜の花が散っていく様子を眺めた。
沈んだ気持ちも明るくなるような気がした。
落ちている花を拾い麗にも見せようと思った。
「お姉さん、桜が好きなの?」
「!」
ふいに声をかけられなぎさは声のした方を見た。
するとなぎさより少し年下のような少年が立っていた。
神域には自分たち二人しかいないと思っていたからなぎさは驚いた。
なぎさは少し警戒しながら少年を見た。
不思議と敵意は感じなかった。

ただ人間でもなく神様でもない雰囲気だった。
「私はなぎさというの。あなたは?」
「僕は桜の精霊で名前は紗良だよ、僕を見ることのできる人間なんて久しぶりだ」
少年は嬉しそうになぎさの周りをうろうろしている。
じっと見られるのは居心地が悪い。
「私のほかに誰か姿を見ることができたの?」
戸惑いながらもなぎさは尋ねてみた。
「うん。千年ほど前に金色の綺麗な髪の女の人がいたよ」
(ゆかりの事かしら?)
千年前という事は前世でもこの場所に来たという事だ。
”ゆかり”も麗のことで悩みがあったのかもしれないと思うと少し笑みがこぼれた。
「なぎさは麗様のなになの?」
純粋に問われ仕方なく今までのいきさつを話した。
すると少年は少しうれしそうに微笑んだ。
「じゃあ、なぎさはあの人の生まれ変わりなんだね!」
「うん。まだ記憶が完全に戻っているわけではないけどね」
紗良はその言葉を聞いて少し寂しそうに下を向いた。
「ねぇ、なぎさ。まだ麗様の”嫁”にはなっていないよね?」
「え?」
なぎさはこの時紗良から異様な気配を感じた。
(この子・・・紗良から逃げなくては・・・)
本能がそう告げている。
その場から駆け出そうとしたが、先手を打たれてしまった。
足元に桜の花びらで出来た円がある。
そこから出ることができない。
「逃がさないよ、なぎさ」
「僕のことも思い出してよ」
遠のいていく意識の中紗良の声だけが頭に響いた。
そうして意識を手放した。

コラボにいらしてくださった方ありがとうございます。
初めてコラボ立ち上げます。
宜しくお願いします。
最終的にはニコニコ動画やYouTubeへのアップを目指しています。

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