わんこ×にゃんこ.6-愛されてるって事さ!

投稿日:2011/04/28 22:42:34 | 文字数:3,988文字 | 閲覧数:1,092 | カテゴリ:小説

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一応ここで考えていた連作は終わりです!
でももしかしたら今後も思い付いたら投下するかもしれません。


鏡音はいちゃいちゃしてればいいんだ!異論は認めん!
…あ、嘘です。殺伐とかもだもだも大好きです!

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TEXT
 

 言わないだけで、何を思ってるかなんて丸分かりよね。
 少なくとも、当事者以外から見れば。



<わんこ×にゃんこ.6-愛されてるって事さ!>



「ただいま」

 …あら?
 玄関から聞こえたリンの声に、私とミクは顔を見合わせた。
 普段より、どこか不機嫌そうな声。散歩から帰って来るリンは上機嫌な事が多いせいか、何となく不思議な感じがする。
 そういえば、ぱす、ぱす、と廊下を歩く音も心なしか荒っぽい。

「どうかしたのかな、リンちゃん」
「レンが何かしたって考えるのが順当だけど、冷静に考えればレンは家で待機してたわよね」

 理由が思い当たらなくて、私達は首を捻る。外で何かあったのかしら?縄張り争いでもあったとか。
 でもなんだかんだいって、リンはどちらかと言えば家猫に近い割にこの辺の女ボス的立ち位置の筈なんだけど。…まあ、日頃の訓練の相手が犬じゃ強くもなるわ。

 と、そこで勢い良く廊下を走る音が響いて来た。
 出たわね、話題のわんこ。

「リン―――!おかえり―――!」

 家中、いえ、この区画の家全てに響き渡りそうな声でレンが叫ぶ。顔は見えないけれど、満面の笑みだろうというのは想像に難くない。だって、そんな感じの声だし。
 ばたばたばた、何の遠慮もない足音が玄関に向かい…
 


「り、リン!なにそれどうしたの!?」



 響いたのは、焦ったような叫び。
 ただ事じゃない、そう判断した私とミクは部屋を飛び出した。
 玄関に近い部屋にいたから、廊下に出ればすぐに探していた姿が見つかる。
 そこに佇むレンとリン―――…

 ―――えっ。

 結果、私とミクも慌ててリンに駆け寄った。

 何故ってそりゃ、リンがぼろぼろに怪我をしていたんだもの。





 擦り傷や切り傷を大量に作ったリンを囲むようにして、私達三人が陣取っていた。
 その中で一人リンだけは、何故かふてくされたような顔をして黙り込んでいる。
 でも尻尾がぱたぱたと振られているあたり、不機嫌だっていうのは簡単に分かる。

「リン、リン、リン!平気?痛いよね、誰にやられたの!?リンこんなにした奴、許さない!」
「レンは黙ってて!」

 ミクの治療を受けながら、リンは必死の形相のレンからつんっと顔を背けた。こういう、干渉を嫌うところはいつも通りね。
 事故か喧嘩か、恐らくどちらかが原因なんだろうとは予測できる。でも、喧嘩だとすると、その理由が分からない。
 リンはこの界隈でもなかなかの美猫で通っている。おまけに腕っ節も相当なものだ。この辺は猫の数がそう多くないから全体から見てどうなのかは分からないけれど、とにかく強さにせよ美しさにせよ、リンはこのあたりでは一目置かれる存在なのだ。
 この数年は猫関係のいざこざも起きていないようだし、リン自身が余り他の猫に興味がないこともあって、わざわざ喧嘩にまで縺れ込むような事があるとはどうも考えにくい。
 それとも、ついにこの縄張りのボスを奪おうという根性のある奴が現れたのかしら。
 リンに喧嘩を売るなんて命知らずも良いところだけど、まあ、それなら説明も付くわね。

「にゃっ」
「ごめん、しみた?」
「…う、ちょっと…」
「うーん…でも、ちょっとだけ我慢してね」

 家族ながら可愛いと言える顔に、ぺたぺたと絆創膏が貼られる。
 それでも擦り傷が多いのが少し痛々しい。女の子の顔に傷が付いているのって、見ていて気持ちいいものじゃないわ。

「…うん、これで血の出てるとこは絆創膏で押さえられたかな」

 長い耳を揺らし、ミクが頷く。
 頬に貼られた絆創膏の感触に違和感を感じるのか、リンは落ち着かない様子でその部分に何度も触れる。大丈夫だとは思うけど、なんだか貼ってあるのを剥がしそうで怖い。
 そこで、じっとリンを見ていたレンが不意に顔を輝かせた。

「そうだ、俺が治すよ!」
「えっ、…ふみゃ!?」

 言うなり、リンの顔に付いた擦り傷をぺろぺろと舐め始める。
 意図せず苦笑が浮かんでしまうのは仕方がない、いやまあ、そう来るだろうとは思ったわよ。正直展開を読めた自分が悲しい。でも二人の仕種があんまりにも可愛いから、相殺して尚お釣りが来る。いいわねー、純粋無垢だわ。今のうちにどんどんやっときなさい。
 しっかりとレンに捕えられて身動きが取れないリン。
 それを確認してから、私は軽く腕を組んで質問をしてみた。

「で、リン。一体何があったの?」
「な…なんでもない」
「なんでもない、って。そんな怪我しておいてそれはないんじゃない?」

 私は眉を寄せて一歩踏み込んだ。
 それでもリンは尚も言い張る。

「なんでもないの!」

 …これは、聞き出すのは無理そうね。

 そう判断し、ひとつ溜め息をつく。
 まあ、本人が嫌がるならわざわざ聞き出すような事もないし、今は放っておくべきかもしれない。リンは割と気が変わりやすいから、もしかしたらそのうち話す気になるかもしれないし。

「そう。じゃ、早く傷が治るように気をつけなさいね?せっかく可愛い顔してるんだから。レンも存分に舐めてやんなさい」
「了解でありますっ、めーちゃん!」
「ちょっ、めーちゃん、それじゃ治んないよ!それにそんな事言ったらレンが本気にしちゃ、にあああ」

 おばか少年がツンデレ娘を押し倒したのを確認してから、私はミクに目配せをした。
 ―――後はレンに任せて大丈夫でしょう。
 その意図が伝わったらしく、ミクは名残惜しそうに立ち上がる。
 この二人を見ていたいのは分かるけど、リンは一対一じゃないと素直にはならないから。細かい話を聞きたいのなら、後で秘密のガードが甘い…というかガードなんて無いに等しいレンに聞けば確実だもの。









 姉二人がいなくなったことで部屋は急激に静かになった。
 レンの腕の中でどこか居心地悪そうに黙り込むリンと、一心に傷口を舐めるレン。
 暫くの間その均衡は崩れず、レンの尻尾が床を叩く音が聞こえるほどの静寂が空間を満たしていた。
 やがて、ひとしきり舐め終えたレンが首を傾げる。

「で、リン。一体何があったのさ」
「え」

 ぴこん、とリンが固まる。耳や尻尾が面白い程に緊張しているあたり、内心の動揺が推し量られる。
 いかにも触れられたくなさそうな反応。普通の相手ならその意を汲んで話や質問を変えてくれたはずだ。
 しかし質問するのはレン、空気の読めなさや強行突破には定評がある。
 なんで、なんで、教えてよ。声と瞳と行動でひたすらに押しまくられ―――ついにリンは屈して口を開いた。

「だ、だって、あいつらレンのこと…!」
「俺のこと?」

 レンは途切れた言葉の先を推測できず、困ったように首を傾げる。
 そんなレンの仕種を見て、リンは一瞬だけ口ごもる。しかし、すぐに思い切ったようにレンの体に抱きついた。

「ぅえっ、リン!?」

 予想外の行動にレンの声が裏返る。
 しかし、リンはそれを気にせずに体全体でしがみつく。

「…レンはかっこいいもん!とってもかっこいいし、優しいんだもん!あいつら、レンのこと何にも分かってない!」
「へ?」
「私、レンが馬鹿にされるの、許せない!」
「…え」

 そこでレンはようやく理解する。
 自分が馬鹿にされたのを我慢できず、リンと相手が喧嘩になったのだと。自分はそれだけ大切に思われていたのだと。そして、リンの中のカテゴリで、自分は「かっこいい」「優しい」と分類されるのだと。
 おまけに彼女はこうして、自分から抱き着いて来てくれた。
 それはつまり。

「…リン」

 ころりと唇から声が零れる。

「なんか、あれ、どうしよう」
「なに!?」

 やけっぱちのように返すリンを、レンはまじまじと見詰める。
 まるで、初めて手にした物を確かめるかのように。

「俺、すっごい嬉しい…」

 え、と目を開いて固まるリンの首元に柔らかな感触が触れる。見なくても、それがレンの鼻だというのはすぐに分かった。
 促すような動きに従い、そっとリンは顔を上げる。
 それを逃がさず、レンはやんわりとリンの唇を啄んだ。ひとつ、ふたつ。急くことなく落とされる唇に、リンも逃げる事なく顔を寄せる。

「…ね、リン。でも、俺の為に怪我しないで。あうー、こんなに傷付いちゃって…」

 ぴす、と辛そうに鼻を鳴らすレンに対し、リンは小さく首を振った。
 やんわりと、それでいてしっかりと。

「私がしたかったの。だから、いいの」

 むむう、と唸るレン。いまひとつ納得がいかないらしい。
 けれど結局、そこを追究するような事はしなかった。止めてほしいけれど本人がそう言うなら仕方ない。大体、自分が余り他人の感情の機微に対して鋭くないという自覚はあるのだから、強く出ることも出来ない。
 下手に口を出してリンの不興を買うよりは、珍しく甘えてくれた今を満喫しよう―――そんな結論に達したのだ。
 改めて金の柔毛に顔を埋めると自然に顔がにやける。

「えへ、リン、もうちょっとぎゅってしてていい?」
「…今だけだよっ」

 今更恥ずかしくなったのか、リンはレンの体にしっかりと顔を押し付けたままで答える。
 太陽の色をした髪の隙間から見える色白の頬が真っ赤に染まっているのに気付き、レンは締まりのなくなりそうな口元を必死で押さえる。
 可愛い。これはすごく可愛い。ぷるぷる震える耳とか、もう、可愛すぎる。



 大好きだよ、今までに言い飽きる程に繰り返した台詞をもう一度囁く。
 ほんの微かな声だけれど、レンの鋭敏な耳はリンの答えをしっかりと拾っていた。

 …私も、すき。

鏡音が好きです。双子でも鏡でも他人でも。
というか声が好きなのが原因なのか…それとも設定が原因か…
ちなみに最近ピクシブも同HNでやってます。
タグがいじられているとテンション上がります。何ですか皆さんセンス良すぎです

そういえば、何だかブクマとかコメとか頂いてるようでどうしよう。まさかの100ユーザーブクマ突破かなり嬉しいです。精進します。

文:正直暗いかハイテンションな犯罪臭しか書けません!
  ぽっぷできゅーとな作風って何?私の辞書は欠陥辞書らしく、検索してもヒットしませんでした。

絵:素人も良いところですが練習も兼ねて妄想を垂れ流していく所存であります。


まあ見てのとおり、種族を細かく言えばリン廃です。日々レベルアップしています。
ボカロウイルスは周辺で増殖中。いいぞもっとやれ

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作品へのコメント6

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    ご意見・感想

    今回はマスターの視点・・・ですか?
    やっぱりこのリンレンは愛しいですw
    みんなまとめてうちに来て!ペット禁止だけど(ヲイ)
    リンと相手のガチンコ見たかったです。
    あ、雨夢楼更新しました。
    http://piapro.jp/t/bjBT

    2011/05/01 17:35:26 From  零奈@受験生につき更新低下・・・

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    メッセージのお返し

    コメントありがとうございます!
    そして新着チェックは既にしております。抜かりはなかった。ユーザーブクマって本当に便利ですね!(・∀・)ニヤニヤ

    そうですね、視点は前半はめーちゃん、後半は誰とも言えない第三者視点ですね。ちょっとレンの主観も入っていますし。
    それにもしもマスター視点なら、もっと雑念が入り込んでいると思われます。「レン、そこだそこだ!」とか、「リンデレktkr!」とか…おおう雑念にも程がある!

    2011/05/01 23:11:46 翔破

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    ご意見・感想

    リンがデレた!!!! 
    うへへ(((可愛いですwww
    レンの悪口言ったやつ出て来い!!私が倒す!!!
    あー!!もうリンとレンに早く結婚して欲しいです!!

    2011/05/01 12:10:20 From  紅華116@たまに活動。

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    メッセージのお返し

    コメントありがとうございます!デレリン可愛いですデレリン
    自分の力ではまだまだリンちゃんの可愛さを表現しきれていない感はありますが、可愛いと思って頂けたならそれだけで嬉しいです。
    ミクちゃんかめーちゃん辺りに結婚式のセッティングお願いしようかな…

    2011/05/01 23:07:35 翔破

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    ご意見・感想

    だんだんリンもでれてきましたね~っww
    かっこいいとかwwやさしいとかwwww
    うへぇwww2828とまらないww自分きもいwwwwwwww

    リンちゃんと相手の修羅場も見てみたいですねww
    相手も実はレンきゅんの事をアレだけど上手く言えないツンデレで、いつもレンに甘えられるリンが羨ましくて喧嘩に・・とか・・・wwwwwww

    ああ妄想がとまらない・・・・wwwwwwwwww

    2011/04/30 19:35:12 From  oうさたんo

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    メッセージのお返し

    コメントありがとうございます!
    いいですね、そのシチュエーション…萌えます!

    リンはレンの事を好きだと思ってはいるのですが、何分ツンというか気位が高めなので素直に言えないだけなのです。素直になっちゃえよ!と思って書いた結果がこれです。
    にやにやして頂けたなら幸いです!
    これからも精進いたします^ω^

    2011/05/01 23:05:15 翔破

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    ご意見・感想

    リンがデレたー!!!
    みんな!ちゃんとビデオ撮ってた?
    こんなレア映像永久保存版決定だよ!!!!!

    レンの悪口言うやつがいるだと・・・?
    そうか・・・
    リン!そいつらの所連れてって!
    軽くボコしてくるよ☆

    結局は両思いだったから
    種類なんてどうでもいいんだよ^^

    2011/04/29 13:28:06 From  秋来

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    メッセージのお返し

    コメントありがとうございます!
    猫リンがデレると絶対可愛いと思います。
    そして大丈夫です、奴らは全てリンがぶっ倒してきました。抜かりはない。

    両思いだから種類は関係ない、同意です。
    そんなの関係なく幸せにおなり、鏡音さん!

    2011/04/29 21:09:52 翔破

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