ごめん、無理みたいだ
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「ルカ、おはよう!」
メイコが元気よく挨拶してくる。というか、朝からそんなにテンションが高くて大丈夫なのか?
「まぁいいや……」
「え、私何かした?」
「いや、何もしてないよ。っていうか元気だねえ……」
メイコっていつもテンションが高い。常に私の二割り増しくらいの高さをキープしている。
「ルカちゃーん! おっはよー」
グミちゃんもテンションが高い。今日は珍しく、寝不足ではないようだ。
「今日は眠くないの?」
「え? あぁ、眠気覚ましにちょっとね」
「何したの」
「軽く体操してきた。ラジオ体操じゃないほうの」
「朝から?」
「だって眠いじゃない」
そういえば、グミちゃんの寝不足っていつ治るのかなぁ。
「っていうかグミ、今年は大事な年なんだから、授業中寝ちゃ駄目だよ?」
「うん。そうか、もう一年経つんだね」
「グミちゃんがここに来てから?」
「うん」
グミちゃんは実質転入生(?)としてこの学校に来た。その際、自分も一人暮らしを始めたらしい。
「一年か。神威先生の病気が再発したのも、一年前だよね」
「学園祭の次の日だったね、お兄ちゃんが発作おきやすくなったの」
「うん。……大丈夫なのかな」
倒れる程じゃないけど、最近彼はよく苦しそうに胸を押さえている。これは、何かの前兆なのだろうか。
実際に、この間空き教室の近くを通りかかったとき。彼は教室で一人、苦しんでいた。あれは、病気のせいだけじゃない。右手首も、痛そうにおさえていた。
彼の右手首の傷に長い間気づかなかったのは、そこに包帯を巻いてうまく隠していたからだろう。合宿のときから包帯を外していたけど、学園祭が終わってからは、また巻いていた。
彼はいつも白衣を着ている。白衣も包帯も白い。それに白衣は袖が長いので、気づきにくい。私以外では、皆傷に気づいた様子はない。ただし身内のグミちゃんを除く。
「……ルカ、どうしたの?」
「何か嫌なことあった?」
考え込んでいたので気づかなかったが、二人が心配そうに私を見ている。
「ううん、なんでもない」
だけど、この感じはなんだろう。何か……言いようのない、悪い予感がする。
*
休日、時刻は午後二時。夕飯は何にしようかと考えながら冷蔵庫を開けると、食材はほとんど入っていなかった。これじゃ、おかずが一品ぐらいしか作れない。というわけで、買い物に出かけたのだが。
「あれ? 巡音?」
「神威先生」
偶然、スーパーに向かう途中で神威先生に会った。私服の彼を見るのは新鮮である。いつも白衣だからな……。
「どっか出かけるのか?」
「はい、近くのスーパーまで」
「そうか。実は俺もなんだ。せっかくだし、一緒に行くか」
「え? 一緒に、ですか?」
「嫌?」
「そ、そんなわけじゃ」
私がそう言うと、彼は表情を僅かに緩めた。
「冗談だ。“ルカ”はかわいいな……」
僅かな微笑みと共に、そんな言葉が飛んでくる。多分、私の反応をみて、遊んでいるんだろう。
「もう、なんてこと言うんですか」
「本当のことだよ。普段言わないだけで」
さりげなく恥ずかしいことを言ってくる神威先生。
「うぅ……誰か見てるかも、しれないんですよ?」
「そんなことはどうでもいいよ、巡音」
よくないよ。しかも呼び名は気にするのね…。と、そこで違和感を覚えた。なぜ彼はこんなことを? 普段言わないことを、どうして今日言おうと思ったのか。
「神威先生、今日、どうしたんですか……?」
「別に、……どうもしていない」
そう言って彼は笑う。だけど、その笑顔は……少し、悲しそうに見えた。どうして? どうして、そんな表情をするの?
思えば、このときから、彼はわかっていたのかもしれない。もう、時間がないことを。
「あ、信号赤だな」
「今日は引っかかりやすいですね。信号赤デーですかね?」
「そんな日はいらないな」
信号の表示を見て、私たちは足を止める。
「……巡音、いや、ルカ、もしかして気づいてる?」
「何をですか?」
「俺の本心」
信号待ちの時間が、いつもより長く感じる。いつもはあっという間に過ぎるのに、なんでだろう。
「……私には、わかりません」
「そうか。俺は、怖いんだ。……俺が、俺じゃなくなるのが」
彼はいったい、なんの話をしているんだろう。私には、よく理解できない。
「……それは、どういう」
そこまで言いかけたときだった。
突然、体が宙に浮いた。
何これと思ったときには、私は地面に叩きつけられていた。叩きつけられたといっても、軽く打った程度だったけど。
なぜこうなっているのか? 理由は簡単、彼が、神威先生が、私を突き飛ばしたから。
そして、私を突き飛ばした彼は今、―――赤い水溜りに、倒れこんでいた。
車の急なブレーキ音が、遅れて聞こえる。彼は苦しそうな表情を浮かべ、左胸を強く押さえ、倒れている。あたりは驚くほど静かだった。
この状況からの予想。車が歩道に突っ込んできて、彼は私を助けるために、私を突き飛ばした。その瞬間、きっと……発作が起きた。彼は止まってしまった。だから、逃げられずに……。
たった数秒の出来事。だけど、すべてを理解した。
「キャアアアアアアアアアアァ!!!」
誰かが叫んだ。それが周りの人の声なのか、私の声なのかは、わからなかった。
私は、彼の元へ駆け寄った。
「どうして、どうして……っ!」
「ごめん……、無理、みたいだ………」
少しずつ、その赤は広がっていく。少しずつ、頬を、ナニカが伝っていく。
「ねぇ、なんで……あなたが……」
「……ル、カ」
彼の腕が、少しだけ上がる。血に塗れたそれは、私に向かって上げられている。
「頼むから……」
その手は、いつもの温かさで。だけど、私の頬に流れる涙を、優しく拭った。
「泣くな……俺は、君、を……、」
そこまで言って、彼は目を閉じる。同時に、その言葉の先を、理解した。
『 』
周りの声がうるさいのに、彼の小さな声だけは、しっかりと聞き取れた。涙を拭ってくれた優しい手は、少し冷たくなり始めていた。
どうしてこうなったの。彼は私を庇った。こうなったのは……。
……私のせい?
「っいやあああああああ!!」
――全ては、一瞬の出来事だった。
【がくルカ】memory【22】
2013/03/18 投稿
「事故」
最終章、記憶編スタート。
プロローグを除き、memoryはここの場面を最初に思いついたのが書き始めたきっかけだったりします。
改稿につき内容を少し変更しました。
前:Plus memory3 https://piapro.jp/t/LsZL
次:memory23 https://piapro.jp/t/vYSN
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雪りんご*イン率低下
ご意見・ご感想
きゃあああああああああああああ!!!
がっくうううううううううううry
先生死んじゃうんですか!? い、いいいいいい逝かないですよね?! っていうか逝かせませんよ!(((
こういうときはマルガリータさんを! ……ってあぁ、アノ人はダメだ……もっと嫌な予感しかしn(gift
2013/03/20 11:32:13
ゆるりー
がっくううううう((ry
まだ逝きませんよ!!!逝きませんから!!!!
むしろ、逝かせてたまるか!!!!!(((
というか、ここで死んじゃったらバットエンドの方向しか見えないんですが…。
なので大丈夫です…多分←
マルガリータさん…いやな(((gift
2013/03/20 14:32:24
すぅ
ご意見・ご感想
がっくんが!がっくんが!!!!
なんかもうマジ泣きしました・・・w
ルカさんのためにもまだ逝っちゃだめだよおおおお(((被ってますすいません
・・・なんかもう言葉が思いつかないほどです。
お騒がせしました。
2013/03/19 19:31:14
ゆるりー
がっく―――――――ん!!!!!(((
ふっふっふ、マジ泣きするのはまだはy…すみませんすみません調子のりましたすみません
まだ逝きません!!!まだ逝きませんから!!!!
あのがっくんが嫁を(違う)置いて逝くわけないじゃないですk
「なんか言ったか」
ぐはぁ!チョークがああああ(ry
あ、こちらこそ何かすみません…
2013/03/19 19:43:14
Tea Cat
ご意見・ご感想
ふみゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!
がっくん!がっくーーーーーーん!!
いろんな人とかぶっちゃうけど逝くにゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ(噛んだぁぁぁぁ
ぜぇ…はぁ…失礼しました☆にゃぁ
ブクマもらうにゃぁ☆
2013/03/19 19:17:45
ゆるりー
がっくうううううううううううううん((お前がやったんだろ
まだ逝かないよ!!まだ逝かないから!!!
次回、がっくんは目を覚ますよ…きっと←
ブクマさんくす☆
来週もまた、み(おい
2013/03/19 19:39:38
カメフィ
ご意見・ご感想
い、い、今ちょっと21の予告見てきたらグハッ
がぁくぽー!!
ちょちょちょだめだよ
下のターンさんとかぶってるけど逝っちゃだめだよぉぉぉ
所で蛇足ですが。
も…もう一組のお互いの親友同士の先生×生徒は進展あるんですかね?
2013/03/19 18:47:04
ゆるりー
ぐはっ!?
まだ逝きません!まだ逝きませんよ!!
あー、そっち…ですか…。
きっと、知らないところで進んでるのではないでしょうか…。
…書いたほうがいいですか?←
2013/03/19 19:36:59