悲しみと生贄と

灯火揺れる祭壇
横たわる幼い
少女の胸はどす黒く
抉れて血が流れる

ああ幾千の命
吸い尽くしても足りない　足りない
もっと血を　もっと血を！
私が生きるための手段
ただ一つ　唯一の
抗えない　赤色の
悲しき運命

さあ生贄を私に
捧げよ夜の下僕よ
また夜が来て　また一人
命の糸が解ける

この夢は覚めない
永遠に続く悪夢
さあ赤い血のワインと
柔らかな肉を今

味わおう　終わりのない晩餐で
暗闇に生きる魔物

汚れた袖を拭って
今宵の食事を終えて
次なる獲物を探して
宵闇を徘徊する

本当は
穏やかな人間として
息をして　友を作り
笑いたかった　泣きたかった
されども私は忌み嫌われる
イキモノ

一粒の涙すら
流せない

さあ生贄を私に
捧げよ夜の下僕よ
それでも私は　君を…
たとえ世界に恨まれても

さあ君の血を私に
捧げておくれ全て
さあこれが最後だ
愛する人の涙

生贄を私に
捧げよ夜の下僕よ
そう最後の晩餐は
君を食して一つとなる

ああ夜が明ける
私と
共に死のう