「怪盗ヒルダの世直し冒険」 第三話 営み

投稿者: usericonYUUNOさん

投稿日:2020/02/12 05:37:28 | 文字数:1,556文字 | 閲覧数:34 | カテゴリ:小説 | 全2バージョン

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怪盗ヒルダ あらすじ

地下深くの闇牢にマナは囚われていた。実の父によって。
父とは長い間対立してきた。
父はこの国の国王だ。命令には逆らえない。
しかし国王の座を利用し、民を貧困で困らせているのもまた父だ。
民は怒っていた。父にだけでなく城中の兵士達、大臣たち、女中達にもだ。
何でも父の言いなりになり、散々正しいことなどせず、私腹を肥やした。
そこにマナはたった一人で対抗してきた。民の最後の望みであった。
しかし結果はここにいることであった。
 しかし、ある日の事、マナを闇牢に入れた事を自慢げに話す兵士たちの会話を聞いた民がついにクーデターを起こした。少数の人数の城の者は大勢の民に完敗し、民の代表からの実力者が真の王となった。
マナは味方である民によって助け出され、自由の身となった。
民はマナを王にしたかったがマナは断った。
今は世界中で同じように民が苦しめられている。自分はその民に救われた。今度は私が民を救う番だ。マナはそう言い、世界中の民を救ってやりたい一心で、旅に出た。

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怪盗ヒルダの世直し冒険」 第三話 営み

マナの店はその夜そこそこの人数の客が入って来た。
皆、それぞれにマナが振る舞う酒を楽しんでいた。マナは慣れていないなりに一人ひとりに丁寧にお酒を作っていった。輝く笑顔と一緒に。
そして最後の客がマナの酒に酔いしれている時、
「お嬢ちゃん、いや、マスターって呼んだ方がいいな。酒場だからな、それが酒場の掟だからな。うん。マスター、この店何て名前だい?」
「なんて呼んでもいいですよ。みんなの酒場だし。それぞれに呼んで下さっていいんですよ。」
「それぞれに呼ばれる酒場か・・・。自由だねぇ・・・。自由っていいねぇ・・・。」
「じゃあそれにします?」
「ん?何がだい?」
「名前ですよ。」
「いやいや、そういうのにしない方がいいと思う!!!確かに『自由』ってのもいいが、酒場らしいのにしようよ!」
「じゃあ決まり!ここの名は『酒場』にしましょ!」
「・・・マスター、正直なところ思いつかないんでしょ・・・。」
「バレました〜・・・ヘヘへ・・・。」
「でも酒場を特定の『酒場』と呼ぶと、他の店、まあ一つだけどどう呼ぶんだろ?」
「いいアイディアでしょ?」
「まぁね。でも思いついた訳じゃないし・・・。」
「ヘヘへ・・・。また言われちゃいましたね〜。でも、そう言ってるうちに、ハイ。カ・ン・バ・ン。」
笑顔でペロッと舌を出して両手でバツ印をするマナ。
「ありゃ。もうそんな時間?」
そして最後の客を見送ると、まだ何も書かれていない看板をしまった。
これでやっと晩ごはんをマナは食べられる。
今夜の晩ご飯は早朝市場で買った、サングリアとキールのパンにピクードのオリーブオイルをかけて、オレンジのドライフルーツと赤ワインというメニューだ。肉や魚は店が軌道に乗るまでの間、御預けだ。酔っぱらいの声が聞こえるが、それも心和むオルゴールの様にマナには感じた。
今夜は怪盗ヒルダとしての依頼はない。ゆっくりと食べられる。
「今日は楽しかったなぁ・・・.」
マナはこの言葉を毎晩言う事にしている。
勿論、今日は本当に楽しかった。この町は過ごしやすいな、平和だし。なんて事を思いながら、
今日はもう寝ようと、ん〜〜〜っと背伸びをしてオレンジのドライフルーツを頬張り、早めにベッドに入った。水浴びは朝に決めている。怪盗ヒルダになる時は、身体を洗えないからだ。
もう一度、
「今日は楽しかったなぁ・・・.」
と言い、むん、と背伸びをもう一度してその日は横になって眠ることにした。
「皆んな、おやすみ。また明日。」
これがマナの一日のいつもの締めくくりの言葉だった。
―――――翌日。早朝、
マナはブドウの石鹸で水浴びをし、昨日の汗と夜中の寝汗を落として、一緒に昨日の衣類も洗濯した。下着が無いのは石鹸の節約のためと国から国へと一〜数ヶ月移動の際邪魔になるからだ。この世界の旅人ではそれが当たり前のことだった。同じ物だが三着ある昨日洗った黒いTシャツとスパッツと靴下を着て、いつもの茶色い皮のバッグを持って、洗濯物を干し、これまた黒いスニーカーで市場へ出かけた。
その頃丁度、朝日があくびをしながら出てくるように昇る頃だ。もう市場はやっている。
「ん〜。朝日ちゃん、おはよ。今日もヨロシク。」
マナは明るく朝日に挨拶して、むん、と背伸びをした。
「あ、市場だ!さ〜てワインとパンだ!」
この町でワインはお茶や珈琲代わりに飲まれる一般飲料だ。マナの好みでもある。
マナは昨日のパン屋の方へ駆け出した。
「おじさ〜ん!おはよ〜!」
マナは限りある時間を満喫するため今日も今日という日を生きる。
     ―――――第三話 営み―――――

コラボにいらしてくださった方ありがとうございます。
初めてコラボ立ち上げます。
宜しくお願いします。
最終的にはニコニコ動画やYouTubeへのアップを目指しています。

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