A
吸い込んだ日々が あまりに綺麗すぎて
満たされた胸が 虚しくなっちゃうな
吐き出した言葉 そこら中に散らばって
渡り征く僕は まるで星間旅行
B
詰め込んだ荷物は
いつしかサヨナラばかりで
融けだした空が 行く手を阻む
旅立ちを待った部屋の隅から
青い影が延びていく
S
砕けた心を 未だ眠る君に振りかけて
そして 何を言わずに行くことにするよ
湿る峡谷に 永く永く残る響鳴のように
ずっと 心地よい冷たさを頬に置いて
午前三時の躊躇い
僕はいつまでも 冷めたままで
A
漏れ出した今日が 灰の朝を灼いて
持ち出した君の心も燃やしていく
彷徨う二人に 骨の折れた傘を
不器用な報い 水面を掻くように
B
いつからか此処は 翳りも届かぬ風景
白花を摘んで 風に吹かれた
この旅を終えて 帰ってきたら
二人で スープでも飲もうか
S
『ごめんな』って言った
眠る君の髪を梳いて言った
そうさ 初めて嗅いだ懐かしい匂いだ
濡れた畑を 吹き渡る風が耳を薙いで
揺らす 底冷えた藍色が泣いたようだ
午前三時の呟き
僕は 手を引く声も置いて
C
覚えていることが遠くて
忘れていたことは手の中
探しているものが見えずに
運命(さだめ)とも言いたげな光
言いたげな顔が近くて
思い描く理想が遠いな
せめて明日(あす)名前は呼ばずに
まだ眠る君に寄す、午前三時の愛しさ
SS
砕けた心を 未だ眠る君に振りかけて
そして 何を言わずに行くことにするよ
湿る峡谷に 永く永く残る響鳴のように
ずっと 心地よい冷たさを頬に置いて
午前三時の躊躇い
僕はいつまでも 冷めたままで
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