A
滑らかになる日差しと気持ち　とぼける足はどこへ
つかんでいて　含んでいて　離れていて　まえへ

B
届ける宛（あ）てもない内なる回答
表し伝える言葉、どこかにある？

S
揺れる水面もう残らずに
あらがう術（すべ）も消えてしまう
この身などただの入れ物
奪い去られなくてはならない

A
振り出しに戻る鋲（びょう）で留（と）められ動かない足　ポーズ？
ままならないこの視界は誰のものとなるの

B
過多にフルにあらんかぎり、裂けてしまった
閉じない本をきみが拾い上げる

S
声はかすれ覆われるまま
見つけたはずのきみがいない
きざはしは砕かれてゆく
取り残された一縷（いちる）の恋に

C
これを自分と呼ぶならこれは自分ではなくて　確かなことを言いたい　ここを踏み割ってほしい　

S
交差点でふと立ち止まり
きみと斜め　すれ違うよ
昔から　わたしとわたし
ちがうことさえ知らない

SS
波形気配派生個体答え継ぎ目（つぎめ）　その外側
浮き上がり沈み遠のく足音だけが私を宿す