--日曜日午前10時--

「お前だろ?ミクにあの手紙書いたの」
俺、初音ミクオは、部屋におやつをもってきたリンに尋ねる。

…正直、おやつとか3時だけでマジ十分なんだけど…。

「なんの、こと?」
リンは目を逸らして誤魔化した。
これは、完全にリン仕業だな…。

「大丈夫。俺、ミクのことはなんとも思ってねぇら、心配すんなよ」
俺はリンに優しく言った。


ミクのこと、なんとも思ってないといえば嘘になる。
だけど、ミクに被害を与えないためには、こう言った方が良いだろう。

「…じゃあ、どうしてあの人のこと呼び捨てなの?今までずっと、使用人の中で呼び捨てだったの、リンだけだったのに!」
あぁ、リンがこんなにも早く俺とミクのことを気にしてたのは、俺がミクのこと呼び捨てだったからか。

「それは、高校で同じクラスの時があったから…」
「へぇ、ミクオ様のクラス、皆が呼び捨てなほど仲が良かったんだ?」
リンはさっきから俺が誤魔化しつつ言っていることをどうしても知りたいようだ。

俺は大きくため息をついてから言った。
「わかったよ、降参。俺とミクは付き合ってたんだよ、高1の時に」

リンはそれをきいて、少しムスッとして言った。
「そうだったんだ…!なら初めから言ってくれればよかったのに。リン、ミクさんに嫉妬しちゃったじゃん!」

畜生、可愛い…。
リンってこういう時、マジ可愛くなるんだよな。
すると今度は笑顔になって言った。

「ミクオ様とミクさんが付き合ってたのは昔の話!再会しちゃってミクオ様は困ってるだけなんだよね?」
「あぁ…、そうだ」


トライアングル * 第10話 *


「ミクさん、この前は本当にごめんなさい。これから同じおぼっちゃま付きメイドとしてリンとも仲良くしてね!」
「はぁ…」

今までずっと冷たい視線を私に送ってきていたリンさんが、なぜか急に笑顔で私に「仲良くしよう」と言ってきた。
いや、別に全然嫌なわけではないんだ。
私は皆と仲良くしたいから、仲良くなれればいいんだけど、なんで、急にこんな態度が変わるの?

そんなことを思いながら、仕事に戻る私。
何も話さずに、長い廊下を一緒に歩いていると、リンさんが静かに口を開いた。

「ミクさんって、ミクオ様の彼女だったんだ?」
「えっ?」
なんでそれを?
クオに聞いたのかな?

リンさんは、私の反応を無視して、言葉を続ける。
「もちろん、今は何とも思ってないよね?」
「まぁ…。でも、クオと別れてからは好きな人が出来なったけど」

『でも、~』からは少し小声で言った。
ていうか、これはいうつもりじゃなかったのに、なぜか言ってしまった。
それを見事に聞きとったリンさんは、一瞬不満そうな顔をしたが、すぐにいつもの笑顔に戻り、言う。

「…そうなんだ!別にミクオ様のこと好きになってもいいんだよ?でも、そしたらリンとライバルだね♪リンもミクオ様のこと、好きなの!」
「いや、私、好きとは言ってませんが…」

そんな私の言葉を無視して、リンさんは続ける。
「まぁ、勝つのは絶対リンだよ!…今までもずっと、そうだったもん」

リンさんはずっと、いつもの天使のような笑顔で話していたけど、最後の言葉だけは、悪人のようなとても怖い笑顔をしていたー…。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

トライアングル * 第10話 *

こんにちは^^

今日は久々の絵も投稿したんですよ!
まぁ、どうでもよいことだけどもww

トライアングル、20話いかずに終わる予定だったんですけど、
結構長くなっちゃうかもです。。

そんなトライアングルでも、
嫌がらず読んでくれると嬉しいです><

閲覧数:173

投稿日:2012/04/26 21:46:17

文字数:1,366文字

カテゴリ:小説

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  • しるる

    しるる

    ご意見・ご感想

    リンちゃん、くぁわいいなぁw
    私、ここ最近、リンちゃん大好き人間だと気がついてきてしまったww←

    笑顔とか向けられて、ちょっと黒いところも好きだぁw


    長くなっても、のーぷろぐれむ
    面白いから見るよ~ww

    2012/04/26 23:51:40

    • 亜梨亜

      亜梨亜

      さすが!
      もちろん私もリンちゃん、というか鏡音大好き人間だからww

      ありがとぅ;;
      しかもおもしろいだなんて…
      感激です;;

      これからもよろしくです!

      2012/04/27 19:01:44

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