みえるけむりのなかで

投稿日:2020/05/24 03:40:25 | 文字数:620文字 | 閲覧数:7 | カテゴリ:歌詞

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これはサイケデリックトラッシュvol.1の時にお酒に酔った状態で書いたやつ。でもこの時は我を失うほどは酔ってなかったように記憶している。

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TEXT
 

わたしがとても小さい冬
幼稚園にも通ってない冬
一度だけ雪が積もった
トリカブトのように青い
アスファルトの上に
ピンクの色した雪が積もった
手袋をはめ ニットを被り
厚いジャケットをしっかり着込んで
わたしはお母さんと一緒に
冷めたスープのような部屋を出た
空は緑色に曇っていた

アパートの駐車場は
卵焼きみたいな雪景色
初めてのことではしゃぎ回った
その頃わたしの肌はまだ
透き通るように白かった


わたしがとても小さい冬
おばあちゃんが生きていた冬
一度だけ大きな地震があった
冷蔵庫で寝ていてた野菜たちが
怖がってシクシク泣いた
壁掛け時計が落ちてきて
壊れて中身がバラけて飛んだ
トランポリンで遊ぶみたいに
数字やネジが飛び交う中で
長い針と短い針は
静かにタンゴを踊っていた

お母さんがわたしを呼ぶ
心配そうな声が聞こえた
とても遠い声だったので
わたしはまるでお風呂にずっと
潜ってるような気持ちだった


わたしがとても小さい冬
自分の名前も書けなかった冬
一度だけ迷子になった
無人の砂漠の遊園地
影がどんどん伸びていった
燃えるたてがみをなびかせて
ライオンがうろついていた
ふでばこくらいの大きさの
汽車が夕日の彼方へ消えて
わたしはビンに閉じ込められた
空から覗く大きな目

わたしは不安で泣いていた
暗くなる前風が吹いて
キリンがわたしを見つけてくれた
わたしはキリンの背中に乗って
家に連れて帰ってもらえた

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