女「おはよ、男君っ」

男「今日は朝からお前の顔見なきゃいけねーのか」

母「あら、嬉しい癖に」

男「うるせーな」

女「それに今日は男君が呼んでくれたんじゃんっ」

男「そうだったっけか?」

女「私、女は男君に言いたいことがあります」

男「……何だよ」

女「また浮気したでしょ」

男「してねーよ」

女「証拠はばっちり掴んでるのっ。駅前で先輩と一緒に歩いたでしょ」

母「先輩って……前に家に来た人?」

女「か……家族公認の仲なんですかっ!?」

男「ちょっと用があっただけで寄っただけだ」

女「用ってなに!?」

男「なんだったっけか」

母「確か雨に降られたからシャワーだけ借りたんじゃなかった?」

女「一緒に!?」

男「あほか」

女「私だってシャワー借りたい!!」

男「お前は何回も使ってんだろ」

女「男君は私が男の人と歩いててもいいの?」

男「……まぁいい気持ちはしないわな」

母「まぁまぁ。今はご飯を食べましょ」

女「一時休戦だね、男君」

男「別に戦ってないんだけどな」

「「「頂きます」」」

女「でも何で今日男君は私を呼んでくれたの? 結納?」

男「気まぐれ、かな」

女「ええっ!! 凄く期待したのに」

母「でも女ちゃんも良く男何かと一緒にいてくれるわね」

女「それはどういう意味でしょうか、お義母様」

母「こんな無愛想で性格悪い奴なんてめんどくさいでしょ」

男「酷い言われようだな」

女「でも風邪引いて弱った時の男君とか可愛いし、運転してる時の男君とかかっこいいし……」

母「アンタ、全然内面は褒められないわね」

男「うるせーよ」

女「それにそれに、何だかんだでワガママ聞いてくれて海に行ったり焼き芋してくれたり!! 凄く優しいんですよっ」

男「いまさら言っても後付けにしか聞こえねーよ」

女「そんなぁ……」

母「アンタも女ちゃんをもっと大事にしてあげなさいよ」

女「十分、大事にされてますよ、お義母様//」

男「だとよ」

母「最近疲れてる女ちゃんの様子とか、指輪をなくした時とか全然気づいてあげられなかったじゃない」

男「それは……悪かった」

女「ううん、ちゃんと言わなかった私も悪いんだし」

母「女ちゃんは優しいわね」

女「そんなことないです。いつも迷惑かけてばっかりで」

男「迷惑って思ったことはねーよ」

女「でも、この前星を見に行った時とか、勝手に部屋に上がってた時とか……」

男「それもまたお前だろ」

女「もっとやれってことか//」

男「意味を履き違えるな」

母「二人ともおかわりは大丈夫?」

女「私は大丈夫です」

男「俺も平気だ」

母「じゃあ片付けちゃうわね」

「「「ご馳走様でした」」」

女「片付けは私がしますよ?」

母「座ってなさい。きっと男から大事な話があるはずだから」

女「大事な話、ですか?」

男「か、母さん何で知ってるんだよ!!」

母「母の勘かな」

女「別れ話とか……嫌だよ?」

男「あのな」

女「やだやだ!! もっといい子になるから隣におかせてっ」

男「今日呼んだのは……」

女「聞きたくないっ」

男「おい、少し落ち着け。別れ話とかじゃねーから」

女「……ほんと?」

男「ほらこれ、やるよ」

女「ふえ……? 空けてもいいの?」

男「ああ」

女「……え!?」

男「なくしたって言ったろ?」

女「い、いつの間にこんなの買ってくれたの?」

男「お前が知ってる内に買っても意味ないだろーが」

女「ありがとう// もしかして結婚指輪とか//」

男「ちげーよ」

女「ですよね……」

男「婚約指輪、な」

女「……え、え?」

男「だからなくすなよ?」

女「えーっと……ジョーク?」

男「取り上げてもいいんだからな」

女「や、やだ!!」

男「じゃあ大人しくはめとけ」

女「お、男君、婚約とはどういうことなのでしょうかっ」

男「読んで字の如くだ」

女「こんにゃくとかじゃないよね?」

男「まだボケるか」

女「わ、私何かとこんな約束を交わしてもいいのっ?」

男「別に破棄しても構わないんだからな」

女「きゅ……急なことで頭が追いつかないよー」

男「意外だな」

女「私ならすぐ受けると思ったら大間違いだよっ」

男「ほう」

女「泣きながら受けるとか、喜びながら受けるとか、大人っぽく受けるとか……」

男「受けることは決定なのか」

女「あ、当たり前だよっ!! だってだってあの男君からこんや……」

バタン!!

男「お、女っ!?」

母「オーバーヒートしちゃったのかしらね?」

男「部屋に連れていくか……」




女「ん……男君?」

男「目覚ましたか」

女「もしかして全部夢だったとか……」

男「んなわけねーだろ」

女「じゃあ証明してっ!!」

男「お前は馬鹿だな」

女「むっ」

男「左手」

女「んえ……あ……」

男「サイズぴったりで良かった」

女「でも本当に私でいいの……?」

男「しつこいぞ」

女「ご、ごめんなさいっ」

男「お前だから、女だからいいんだろうが」

女「ふふっ// 私も男君だから凄く嬉しい」

男「……そうだな」

女「男君、婚約もしたことだし」

男「ん、何だ?」

女「式はいつにする?//」

男「……三年後かな」

女「ええっ!?」

End

これでツンデレ男とひたむき女のSS第1部完です。
S15からは第2部なります。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

【SS】 14 男と女

ツンデレ男とひたむき女のほんわか話。
ある日男は、女を朝食に呼び出して……?
今までの総集編と言える第1部最終話。

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投稿日:2010/11/13 11:49:51

文字数:2,298文字

カテゴリ:その他

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