『……なんだと!?』





『TA&KU』の研究所で―――――田山権憎が声を荒げた。


「田山君? どうしたの?」

「……猫村いろはとリュウトが……敗れた」


歯ぎしりをしながら椅子を蹴飛ばす田山に、久留須飽花が思わず駆け寄る。


「嘘!? あの二人がやられるだなんて……何かの間違いじゃないの!?」

「奴等の良心回路が作動していた。『C’sボーカロイド』が影響を与えたに違いない!! くそっ!!」

「落ち着けよ、田山」


静かに声をかけるのは安治怒羅介。だが彼も苛立っていないはずはない―――――リュウトの最終調整を、即ち彼ら4人の研究の集大成を完成させたのは彼なのだから。


「結局VOCALOIDはVOCALOIDだった。『VOCALOID』である限り、『戦闘マシン』にはなれやしないのさ。……そういう意味では、『アレ』は真の完成品とも言えるだろう。もはや『アレ』は、『VOCALOID』と言えるかどうかも怪しいからな」

「……フン!」

「……それで? これからどうする?」


今度は宇野恨太郎が声をかけた。田山はしばらく歯ぎしりをしていたが、意を決したように立ち上がった。


「……『デストロイヤー』を発進させる」

「……! あの破壊兵器を?」

「ああ……まだ空中での試運転はしていないが、まぁちょうどいいだろう。奴等で試してやればいいさ」





『見ていろ……!! VOCALOIDで倒せぬというのなら、人間が貴様らを倒してくれるわ……!!』

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

輝く鏡、拡がる音 Ⅰ~プロローグ~

終幕へのカウントダウンの始まりです。
こんにちはTurndogです。

とうとう黒幕が自ら動くんです。
とかいうとカッコいいけどこの下衆どもには身に余る表現ですなww
(その下衆集団の名前がかつての自分のHNという罠)

閲覧数:133

投稿日:2014/03/01 00:20:25

文字数:644文字

カテゴリ:小説

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