A
季節は彩りを増して
雅に町を染めて行きます
まるでそれを写すように
頬は紅くなるのです
B
恥じらう私は落ち葉を踏むだけで
あなた様の目も見れません
嗚呼 私の心は狂おしく
乱れてしまうのです
S
藹々に散りて さやさやと
紅葉の小路に 二人きり
これ以上なんにも要りません
今はそれでいいのです
D
ただ水を掬い取るようで
密かな心は迷うばかり
まだ大人に慣れない私は
戸惑い焦がれるだけ
B
少し前を行く高い背も
触れそうに揺れる大きな手も
嗚呼 私の心は我が儘に
欲しいと願うのです
S
宵空に響く カラカラと
二つの下駄の音 追い掛けて
袖を掴むことも出来ぬまま
時は過ぎて行きます
S'
藹々に散りて さやさやと
何度となく 言葉通えども
「大好きです」なんて言えません
今はそれでいいのです
A
季節は彩りを増して 雅に町を染めて行きます
あの方のお心もまた 染めて下さいませんか
~かな読み~
A
きせつわいろどりおまして
みやびにまちおそめてゆきます
まるでそれおうつすように
ほほ(お)わあかくなるのです
B
はじらうわたしわ おちばおふむだけで
あなたさまのめもみれません
あー わたしのこころわくるおしく
みだれてしまうのです
S
あいあいにちりて さやさやと
もみじのこみちに ふたりきり
これいじょうなんにもいりません
いまわそれでいいのです
D
ただみずおすくいとるようで
ひそかなこころわまようばかり
まだおとなになれないわたしわ
とまどいこがれるだけ
B
すこしまえおゆく たかいせも
ふれそうにゆれる おおきなても
あー わたしのこころわ わがままに
ほしいとねがうのです
S
よいぞらにひびく カラカラと
ふたつのげたのね おいかけて
そでおつかむこともできぬまま
ときわすぎてゆきます
S'
あいあいにちりて さやさやと
なんどとなく ことばかよえども
だいすきです なんていえません
いまわそれでいいのです
A
きせつわいろどりおまして みやびにまちおそめてゆきます
あのかたのおこころもまた そめてくださいませんか
コメント0
関連動画0
ご意見・ご感想