A1
絵日記帳の
最後を埋めて
言葉のない空を
見上げてる

一輪だけ
早咲いた私の
隣を離れずに
座ってる

B1
小さな背丈を追い越した
雨の日　背伸びでくれた傘
その優しさ　忘れないよ

S1
感じてほしい
愛しんでほしい
いつか開いてくれた
宝箱の中を

あの太陽が
冷たくなっても
きみの姿描けば
思い出が綺麗

遠くへ行っても
離れてもわかるよ
種を握る指


A2
自由研究
発表は苦手と
風の音に混ぜて
打ち明ける

一輪だけ
早枯れが進む
隣を離れずに
座っている

B2
じょうろを抱えた
足音に
ラジオでうたた寝
伸びる影
草の布団　遠くの蝉

S2
信じてほしい
近づいてほしい
いつかきみを傷つけ
泣かせた欠片にも

ささやかなこと
忘れてしまっても
またここへと来るなら
安らげる　きっと

S2
この次の夏には
私はいないけど
見つめている　きみを


B3
その優しさ
こぼさないで

S3
「じゃあね」ときみは
小さくつぶやき
茶色になる黄色を
なでてなでて　なでた

儚い命
うつむいてるのは
醜さ隠すためじゃない
本当にありがとう

奇跡があるなら
生まれ変われるかな
夏の陽射し
眩んだ花

S4
感じてほしい
愛しんでほしい
いつか開いてくれた
宝箱の中を

信じてほしい
近づいてほしい
いつかきみを傷つけ
泣かせてた欠片

怖がることなら
なんにもないからね
種を握る指

指を包む
笑顔



【譜割り・()は一音分】

A1
え(にっ)き(ちょ)うの
さい
ごをうめて
ことばの
ない
そらを
みあげてる

いちりんだけ
はや(ざい)た
わ(たし)の
となりを
はなれずに
すわってる

B1
ちいさな
せたけを
おいこした
あめのひ
せのびで
くれたかさ
そのやさしさ
わすれないよ

S1
かんじて
ほしい
いとしんで
ほしい
いつか
ひらいてくれた
たからばこの
なかを

あのたいようが
つめたくなっても
きみのすがた
えがけば
おもいで
が
きれい

とおくへ
いっても
はなれても
わかるよ
たねをにぎる
ゆび


A2
じゆうけん(きゅう)
はっ(ぴょう)はに
(がて)と
かぜのおとに
まぜて
うちあける

いちりんだけ
はやがれが
(すす)む
となりを
はなれずに
すわっている

B2
(じょ)うろを
かかえた
あしおとに
ラジオで
うたたね
のびるかげ
くさのふとん
とおくのせみ

S2
しんじて
ほしい
ちかづいて
ほしい
いつかきみを
きずつけ
なかせた
かけらにも

ささやかなこと
わすれて
し(まっ)ても
またここ
へと
くるなら
やすらげる
きっと

S2
(この)つぎの
なつには
わたしは
いないけど
みつめている
(きみ)を


B3
そのやさしさ
こぼさないで

S3
「(じゃ)あね」と
きみは
ちいさく
つぶやき
(ちゃ)いろになる
きいろを
なでてなでて
なでた

はかない
いのち
うつむいて
るのは
みにくさ
か(くす)
ため(じゃ)(ない)
ほん(とう)に
ありが(とう)

きせきが
あるなら
うまれかわれる(かな)
なつのひざし
くらんだはな

S4
かんじて
ほしい
いとし
んでほしい
いつか
ひらいてくれた
たからば
このなかを

しんじて
ほしい
ちかづいて
ほしい
いつか
きみを
きずつけ
なかせてた
かけら

こわがる
ことなら
なんにも
ないからね
たねをにぎる
ゆび

ゆびをつつむ
えがお