毎日毎日同じことの繰り返し。
朝おきて、飯食って、学校に行く準備して、学校に行って、授業を受けたりして、家に帰宅して、飯食って、風呂に入って、寝て。
毎日毎日同じことの繰り返し。
とてもつまらない。
なのに何故かとても愛おしい。
わからないけど、手放したくないと思った。
だから、依存する。
何も知らずに。
こうしてまた1日が始まる。
つまらない、退屈な日々、自然に涙がこぼれ落ちた。




「何で泣いているの?」




女性の声が聞こえ、下を向いていた顔を上げる。



「また逃げてるの?」



いつの間にか、知らない女性が近くにいる。



「覚えている?」



ループの邪魔をする女性。



「また繰り返し…か」



少しめんどくさそうに、女性は1枚の紙を出す。



「あなたは患者です。とある事件、とある犯人により、友人と家族を失い、心が壊れた」



目をそむける。



「あなたは自分が思い描いたあの懐かしい日常を、自分の精神世界に作り上げ、逃げ込み、繰り返し、依存した。何度も、何度も」



耳を塞ぐ。


「ま、あんな事件の唯一の生き証人でもあり生き残りなら、こんなことにもなるのを無理はないわね」


「うるさい!」


声を出す。



「でも医者としてちゃんとカウンセリングは受けてもらいたいの。あなたを助けたいの。だから、目を覚まして。眠り姫様」



女性が近づく。



「来るな!」



叫んでも届かない。
女性は耳を塞いでいた僕の両手を片手でつかみ下におろした。
そして、もう片方の手で僕の頬をなぞり、キスをした。
カランと何かが落ちる音がした。
鉛筆だ。
鉛筆?
ここは道路なはず。
鉛筆なんて…ない…はず……。

「……目は覚ましましたか?お姫様」

皮肉たっぷりに女性は微笑む。

「ぼ…くは…」

自分の声に驚く。
自分の声が低い。

「あ……こ…こは…?」

あたりをきょろきょろ見回す。
知らない部屋。
ベッドと机しかなく、窓のない部屋。
したには鉛筆と、大量の絵。
その絵には、今まで僕がいた場所が描かれていた。

「あなたは、失った日常を求めて、日常を描き続け、そしてその中に逃げ込んだ」

「…………」

状況整理が追いつかない。

「窓や鏡はないわ。あなたは逃避している間、心が10年前のままだから、心と容姿の違いにパニックを起こすからね」

……10年?
ふと足元を見る。
足元には鉛筆が1本転がり、足の踏み馬もないほど絵が無造作に置いてある。

「…れ…ちが…」

また耳を塞ぐ。

「逃げてもいい。またあの世界に依存してもいい。でも、今だけは逃げないで。私を見て。私はあなたを救いたい」

彼女の真っ直ぐな瞳は嘘をついている瞳ではなかった。
ただ、わけがわからなかった。
だから、頭を抱え込みながら、声にならない声で涙を流した。
まるで子供を慰めるかのように、あの時のように、女性は僕にまたキスをした。

「さぁ、今日のカウンセリング、始めましょ」

そう言って、女性は優しく微笑んだ。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

ループ(仮)小説版

声が出ない理由は心と体と変声期です。

エデン(仮)はどうしたとか言われそうですがそちらも書いております。
待っている人いるのかわかりませんが遅くなってて済みません。

追記、誤字修正。もう誤字がないことを祈る。

閲覧数:571

投稿日:2013/08/09 05:02:05

文字数:1,283文字

カテゴリ:小説

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