テスト勉強。掃除。資料まとめに提出課題。


“大体それで良いんじゃないの”


全部丁寧に徹夜してでもやり遂げようとする私に、ルキがいつも掛ける言葉。


“適当だって良いんじゃないの”


全部を完璧にやるなんて、時間も気力も脳も足りない。


“少し不安残したほうが、楽しく生きられるんじゃない?”


気楽そうに、無責任そうに、ヘラヘラと笑ってそう言う。

でも、そんな事言われたって、やらなきゃいけない事は沢山あって…、


“やりたいことやる為に、僕らは生きてるんだろ?”



―――私は、ルキみたいに、断言なんて出来ない。


……不器用だもの。





【最後はきっと、非論理的】





「はぁ…」

割れた花瓶を見下ろして、私―――巡音ルカはため息を吐いた。

殆ど皆、サボって好きな所に遊びに行ってしまう教室の掃除時間。
私はゴミを捨てに行く係の人が、何処かへ行ってしまったので(まぁいつもの事だけど)代わりにゴミ捨てに向かっていた。
教室は、サボる人が多過ぎて圧倒的に人手が足りないので「早く帰らなくちゃ」と思って急いでいたのがいけなかったのかもしれない。
両手いっぱいに抱えていたゴミ袋から何故が突き出ていた木片が、校長室前の花瓶に引っかかって、……この有り様である。

「はぁ…」

――また一つ、仕事が増えてしまった。

そう思った私はもう一度ため息を吐いたけど、状況は何も変わらないし、誰も手伝ってくれる気配はない。東京って、思いやりがない街とか言われるけど、確かにこの状態を見てしまうと否定出来なくなる。

しかし、そんな割合どうでもいい事を考えている暇もないので、ため息も早々、私は割れた花瓶の破片に手を伸ばす。


でも、

その手は花瓶の破片に触れる事は無く掴まれた。


―――ルキに。


「危ないだろ?素手で触れるなよ」

―――気遣いされるようなか弱さなんて持ってないのに。
ルキは私の心を見透かしてるかのよう。

「そんな花瓶一つ割った位で思いつめたような顔すんな。別にそんくらい失敗してもいいんだって」

そう言いながら素早くほうきとちりとりで花瓶の破片を片づけるルキは、いつもと同じで気楽で軽そう。

でも、今日はそのいつもの言葉が、いつもよりずっしりと私の心に響いた。


―――いつもはきつく締めてあるはずの涙腺が、今日はやけに簡単に緩んだ。


けど、


無理やり、作り笑顔して誤魔化す。


「そんな酷い顔してないわよ」

「…作り笑いしてたって、楽しくないだろ?」


うっかり無表情になった私の腕をもう一度掴むルキ。


「え、」

「ちょっとサボろーぜ」

……は?

「え、ちょ、待ってよ!私掃除に戻らなきゃ、」

やらなきゃいけない事が、沢山あるのに。

「たまには息抜け」

ちゃんと私の事を見ているってセリフに、私はちょっと胸が温かくなった。




そのまま走る事約2分で屋上へ。

軽く息が切れている私を余所に、全然息の切れていないルキが独り言のように柵に腕を置きながら言った。

「ルカは一人で抱え込み過ぎなんだよ。一体何をどうしたい訳?」

きつい様にも取れるその言葉は、意外にも優しく紡ぎだされていた。

「私は…」

続きは、出てこない。

「ルカも俺もさ、やりたいことをやる為に生まれてきたんだろ?」

「だからさ、」



「泣きたい時くらい泣けよ」


涙が、溢れた。

ぽろぽろと、ひっくひっくと、見っとも無く。


でも、その涙と一緒に私の心の奥にあった重たい枷も外れた気がした。



完璧でなくても、不器用でも、100点満点の答えなんてだせなくても、今はまだ、こんな気持ちで気ままに歩いていたって、良いよねって思えた。


ルキの、おかげだ。





******



「あ~あ…ルキのお陰で初めてサボっちゃったわよ」

軽く、楽しそうに私は言った。

「それに、……初めて人の前で泣いちゃったし」

ゴメンゴメンと悪気の一切ない口調で返すルキに私は続ける。


「――どう責任取ってくれるのよ?」

そう言った私はいままでで一番意地悪そうな笑顔をしていたと思う。
でもルキは、そんな私よりも一枚か二枚上手だった。


「じゃあ結婚してやるよ」



――――神様も想像していなかった、とっても非科学的な、


恋物語の始まり。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

【ルカ誕】最後はきっと、非論理的【No Logic自己解釈】

No Logic … 非論理的なさま。

******
ジミーサムPさんの「No Logic」の自己解釈っぽいものです。
ジミーサムさん大好きです!いつかジミーさんの他の曲も解釈やりたいです(`・ω・)b
ルカさんの曲で一番好きな曲で、この曲のお陰でルカさんが好きになった曲でもあります。
ちょっとよく分からない感じになってしまい申し訳ありません…;;

ルカさんは、がくルカもいいけどルキルカもありだよね!って思ってます。
がっくん相手だと大人な感じで、ルキ相手だと自分をさらけ出してしまう感じのイメージです。ルカさんは、ルキの前でだけは弱くなってしまう、みたいな←
……なんか自分で言っててよく分かりませんね(((ぇ

それにしてもルキのキャラがつかめません…orz


とにかく、ルカさん誕生日おめでとう!



******
メッセ返しまだでゴメンなさいっ;;
出来るだけ返すけど、テスト週間入ったので返せないかもしれません;
本当にごめんなさいorz

閲覧数:6,280

投稿日:2012/01/30 20:46:22

文字数:1,823文字

カテゴリ:小説

  • コメント2

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  • 姉音香凛

    姉音香凛

    ご意見・ご感想

    おぉ、ジミーサムさんの曲だったのか・・・!(ぇ
    ジミーサムさんだと「from Y to Y」とか「Calc.」とかが好き!

    ルキルカ初めて見た!(おい
    ぽルカもいいけどルキルカもいいッスね!((シャルテット的な←

    ルキくんとかクオさんとかグミヤさんとか最高だよね!←
    思わず2828してしまったww 末永く爆発しろ☆

    ブクマもらってくぜっ ノシ

    2012/02/02 17:23:26

    • 芽莉沙

      芽莉沙

      かおりんメッセどうもですっ!

      そうなのだよ!(ぇ
      あ、それもいいよね!ジミーさんは温かい感じがして好きだ><

      は、初めて…だと?!え、私の中では結構メジャーなんだけど…((
      でしょー?(ドヤ←← シャルテットってwww悪ノキタw

      だよねだよね!亜種やべぇ//まじイケメン///←
      に、2828…?!こんなのでしてくれるなんて…!((なんか違;
      ですよねーwルキルカ末永く爆発してろよーw

      おお!ブクマまで!ありがとー><

      2012/02/02 17:54:42

  • 紅華116@たまに活動。

    ルキさああああん!!!
    めっちゃイケメン!!
    ブクマもらいまする><

    芽梨沙が書く小説っていっつも私の好みのドストライクなのは何でなんだろうww?

    2012/01/30 22:08:52

    • 芽莉沙

      芽莉沙

      ≫紅華へ
      うわぁ早ぇ…!(感動
      …キャラ定まってなくない?((そこいうなし
      ありがとうございまする><←

      えぇっ?!ほ、ホント…?///
      うわー!ありがとーっ><嬉し過ぎて死ぬ(((←w


      ≫れっちぃへ
      ルキルカでーっす☆←
      だよねだよね!性転換やべぇよhshsだよ(((
      是非是非聴いてみてね!

      てすと…?何それおいs…うん。頑張る…(´;ω;`)
      メッセありがとー><


      ≫希来さんへ
      初めましてー^^メッセありがとうございますっ!

      い、いつも読んで下さってるなんて…!あなたは神ですか?!((ぇ;
      わわわ、もったいないお言葉ありがとうございます><
      ブクマまでして下さるなんてっ!本当どうもです(´∀`*)

      是非是非きてくだs((
      こちらも希来さんの小説も読ませて頂きますね!

      2012/01/31 20:08:47

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