――お前のせいだよ、カタストロフィー。







≪カミサマネジマキ【自己解釈】Ⅲ≫






 欲望や願望は泥沼を這いずるミラクルにしか過ぎなかった。
 ある少年は「みんないなくなればいいのにな」と願い。
 またある少年は「自分の体が透ければいいのにな」と願い。
 あげく、世界をリセットした人間もいた。
 もちろん、これで叩かれるのはマキ――でもあるが、大元は会社だ。無論、巨額の借金を背負うこととなる。
 しかし。
 それを会社は許さなかった。
 対処法をみつけようとした。
 そして、ひとつの結論に至った。
 開発者――マキを処罰すること。





「ふわぁーっ、いい朝だ」

 俺はまた一日の始まりを迎え、遠くではラジオ体操が聞こえる爽やかな朝を過ごしていた。
 ふと、新聞を眺めてみるとこんなことが書いてあった。

『カミサマネジマキ開発者、行方不明に』

「へえ……まさに“神隠し”ってわけか……」

 俺はそんなことどうでもよかったんだけどね。
 だって、関係無いじゃん?
 そいつはただ、カミサマってもんにあこがれてただけなんじゃない?
 ま、俺には関係ねーや。
 そんなわけで俺はまたベッドの上に寝転がって、ふわりふわりと眠っていったのである。








 時は少しだけ、戻る。
 やり直す? 消えてしまう? そんなことを考えたマキはどうなったのか。
 少しだけ断片的ではあるけど語っていこう。ちょっと引きこもり視点多かったな。こいつまったく関係ないのに。
 まあ、いいか。休憩はここまで。さっさとエンディングまで見てちょうだいね。





 僕は考えていた。
 やり直すことだって、居なくなることだって。
 僕の手の中にある箱を使えば出来るはずだ。
 だけど。
 そんなこと、したくない。
 もしこんなことになるってわかってりゃ、何もない世界に、なってたかもしれない。
 今よりもずっと尊くて、愛しい世界に。
 さあ、カミサマネジマキ。






「――世界の餌になる前に僕を殺して?」


ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

カミサマネジマキ【自己解釈】Ⅲ

「機械仕掛けのその手で、僕を殺して」



本家様:http://www.nicovideo.jp/watch/sm18511216

閲覧数:5,412

投稿日:2012/08/02 21:17:10

文字数:874文字

カテゴリ:小説

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