【独自解釈】 野良犬疾走日和 【紅猫編#01】

投稿日:2009/07/24 17:58:45 | 文字数:3,829文字 | 閲覧数:345 | カテゴリ:小説

ライセンス:

ボス走らず急いで歩いてきて僕らを助けてPの「野良犬疾走日和」を、書こうとおもったら、
なんとコラボで書けることになった。コラボ相手の大物っぷりにぷるぷるしてます。

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めいこさん、生活にうんざりしながらも手紙に癒しを求めるの巻。
しかしこのめいこ、かいとくんが絡むと人が変わりますね……。

今回は、文体をすこしでもたすけさんに似せようとした跡がたくさんあります。
全部失敗してるわけですが!!(涙目
文体似せて書くの無理です難しいですうまくいかないです! とたすけさんに
泣きついたら、こんな理屈っぽいめいこさんでもOK出して下さいました。いいひとです。

しかし、打ち合わせと言う名目で投稿される前にたすけさんの作品を読めるって
いうのはなんとも役得! メールが来るたびニヤニヤが止まりません!

メールを読んでるつんばるはどうみてもただの変態です、本当に(ry

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かいと視点の【青犬編】はたすけさんこと+KKさんが担当してらっしゃいます!
+KKさんのページはこちら⇒http://piapro.jp/slow_story

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つづくよ!

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ボス走らず急いで歩いてきて僕らを助けてPの「野良犬疾走日和」を、
なんとコラボで書けることになった。「野良犬疾走日和」をモチーフにしていますが、
ボス走らず急いで歩いてきて僕らを助けてP本人とはまったく関係ございません。
パラレル設定・カイメイ風味です、苦手な方は注意!

コラボ相手はかの心情描写の魔術師、+KKさんです!

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【独自解釈】 野良犬疾走日和 【紅猫編#01】



 両目ひらく朝靄と、辺り響く太陽の音。ただ駈けろと囁く時は、野良犬の足と土埃。

「お譲様、お待ちください!」
 しまった、こんなに早くバレると思わなかった。わざわざ夜明けの時間帯を狙ったのに、どこから嗅ぎつけてくるのかしら。女中たちの足音を背中に受けて、私は、朝靄のかかる庭を全速力で突っ切ってゆく。
 このところ晴れの日が続いていたし、そろそろ夏ということもあってか、庭の土は乾燥している。新調したばかりのきれいな袴や靴が土ぼこりで汚れた。でも、そのことには何の感慨もない。こんな、私を「令嬢」に仕立てるための装飾なんて、ない方がマシなのよ。
 私はここから逃げるのだ。箱庭の人形みたいな生活は、もううんざりだ。願わくは、幼いあの頃のように、奔放に自由に――私に定められた未来などないのだと、いいなりになる人生だけじゃないのだと、信じるために、私はここから出ていくのだ。
「どこに行くんだい、めいこ」
 髪飾りが外れて体に当たって跳ねて目の前に転がり、私は急ブレーキをかけた。何も髪飾りがお気に入りで、それを取ろうとして止まったわけでも、一度汚れた袴をはらおうとしたわけでもない。やっと見えた門のところに、とても忌々しいかの人の人影があった。
「窓から庭に飛び降りるなんて、めいこはまだまだおてんばさんだね。もう立派なレディなのに」
 温和を音にすると、きっとこの男のような声になるのだろう。でも、それは私にとって胡散臭いもの以外の何物でもない。強行突破しようとした私は、その腕にやんわりと押しとどめられてしまった。悔しさに唇をかみしめる。きっと、今の私は、人間に捨てられて野良犬になってしまった仔犬と、同じ瞳をしていた。
「そんな顔をしないで、めいこ。さあ、屋敷へ戻ろう。足許が汚れているじゃないか」
 私の手を取って部屋へと戻らせようと促すその背中を忌々しく睨みつけながら、これが「彼」だったらよかったのにと目を伏せる。これがこの男ではなく、「彼」ならば、その手をためらいなく握り返し、幼い頃のように、無心になって駆けだしていたものを。
 手を取ってもなかなか動こうとしない私を、男は訝しげに覗きこんだ。
「めいこ?」
「……気安く呼ばないでちょうだい。ひとりで歩けるわ」
 掴まれた腕を振り払い、やや大股で屋敷へ向かって歩き出す。男をその場に残し、風を切った肩の後ろで、呆れたような溜息が聞こえた気がした。気にしないことにする。
 ああ、せっかく、今日はきれいな朝やけが見られたと思ったのに――最悪な気分だわ。

 父や母にとっての「だいじなお客様たち」と食事を共にするのは、なにも初めてのことではない。このよそよそしくも和やかな「客人」はだいたい身なりのいい男性と女性の二人連れで、必ず息子を連れてくる。そして、家に入って最初の挨拶に、父母と私に息子を紹介し、私のことをきれいな娘さんですね、聡明さがにじむお嬢さんだ、と、褒めるのだ。
 前は、父さまと母さまにはお客様が多いなあ、と思うにとどまっていたのだが、ここ数年でだいぶ事情が飲み込めてきた。――要するに「客人」の彼らは、うちの息子を婿にどうぞ、ということで来ている者たちらしい。それがわかってから、私は悉く仏頂面を通し、悉く不遜な態度を見せ付け、相手が諦めるまで撥ね退けてきた。
 しかし、今回の客人は、厄介である。私がどんなに邪険に扱っても、二度三度と訪問を重ね、こうして一泊していくことすら稀でなくなっている。
 黙々と箸を進める私をよそに、父母と客人の一行は談笑しながら、皿の上を順調に片づけていく。私が無口なのは、緊張しているからでも、咀嚼が多くて口を開く暇がないのでもない。ただ、話したくないだけ。できることなら、この場にいる父母の客人の、息子というひと――先ほど庭先で、脱走を企てた私を捕捉した男だ――とは、同じ空気を吸いたくないと思っているくらいなのだ。件の男は、あからさまに私の気を引こうと、話を振ってきたり、視線を送ってきたりするが、徹底的に無視する。質問調なら、一番短く簡潔な言葉で答えを示してやるが、それ以上の会話はしない。しかし、その手法の抵抗を繰り返していたら、最近では、父母から叱責の声が上がるようになってしまった。そう、たとえば――男の紫がかった瞳が、こちらを見た。
「めいこ嬢、今日のご予定は?」
「……今朝方、ぶち壊しになりました。どこかのどなたかのせいでね」
「こらめいこ、朝から神威さんに迷惑をかけておいてその言い方はないだろう」
 ――たとえば、こんな風に。明らかに父母の目を意識した、恭しげな口調に悪寒がした。バカみたいに馴れ馴れしい態度も嫌いだが、こういった持ち上げられ方をするのも腹が立つ。嫌悪感を顔に出したまま、私はそれ以上何も言わず口を噤んだ。紫の男はさも快活そうに笑ってとりなす。
「いえ、いいんですよ。女性は少しくらい元気な方がいい」
 ココロにもない言葉なのに、よく言うわよ。
「私としては、目にするお嬢さんが皆おしとやかな娘さんばかりで、すこしものたりないと思っていたくらいです」
 あら、他にも目をかけている娘さんがいらっしゃるのならば、無理に私でなくてもいいのでしょう?
「めいこ嬢、もしよろしければ今日は私の買い物に付き合って下さいませんか。帽子を新調しようかと思うのですが、貴女が見立ててくれると嬉しい」
「そう。それはそれは、期待に添えず申し訳ないこと」
「めいこ! ……すみません、この娘は照れているんですよ」
 そして、ひとつひとつ声を発する度、早くこの時間が終わらないかしら、と思うのだ。余計な話をしないので、早々に食べ終わってしまう私は、暇を持て余し、客人の口撃をかわしながら、朝食の時間が終わるのを待つ。

 朝食が終わって、父母や客人と別れすぐに、勉強部屋として宛がわれた書斎へ向かった。落ち着いたトーンの本棚、毎日掃除しているはずなのに、すこしだけ黴くさい白茶の壁。その落ちついた佇まいに、やっと人心地つけた気がする。
 さて、書斎の椅子に腰かけて、私は思案した。今日の予定はどうしようか。脱走が成功してもしなくても、今日はもともとなんの予定もない日なのだ。ピアノの先生も、語学の家庭教師も来る日ではないし、お花の先生のところに行く日でもない。
 日がな一日ピアノを弾いてうたう、というのはどうだろう。いや、そこでまたあの男に会ったら面倒だ。それなら、ここに籠って読みかけの本を読み切ってしまおうか。それとも――。
 控え目なノックの音が、静かな書斎に響いた。
「めいこお譲様、いらっしゃいますか?」
 私の身の回りの世話を任されている女の子の声。私は、書斎の鍵を開けて、彼女を迎える。
「お譲様宛のお手紙が」
 そう言って差し出された手紙には、宛名には私の名前が書かれていて、まちがいなく私への手紙だった。
 鼓動が跳ねた。
 そっと受け取った封筒は薄く、見た目にも決して上等とはいえない紙なのがわかる。字も決して上手とはいえないけれど、一文字一文字丁寧に書かれた様がうかがえた。字は書き手の性格をよくあらわす。いつもこの手紙の字が伝えるのは、手紙の送り主の真摯な姿勢だ、と思う。
「……ありがとう」
「それでは、失礼いたします」
 深々と礼をして、女中の彼女は踵を返した。その背中を見送って、私は再び書斎に鍵を掛ける。
 跳ねまわる鼓動もそのままに、椅子に座るのももどかしく、机の上のペーパーナイフを取って、立ったままその手紙を開封する。軽やかな音を立てた封筒の中から便箋を取り出し、広げた。奥付を確認すると、すこしだけ右肩が上がりすぎている、緊張したような字で、そのひとの名前が書かれていた。それを見て、自然と笑みが漏れる。
 先ほどよりはすこし落ち着いたきもちで、ゆるゆると椅子に腰かけ、手紙を読み始める。そこには、手紙の送り主たる彼独特のこまやかな感性で、気候の変化や(向こうもそろそろ暑くなりはじめたみたいだ)、日常のこまごましたこと(最近、彼は野良犬に懐かれているらしい)が綴られている。
 手紙を読みながら、自由だった頃を思い出す。何にも縛られず、無邪気にいられた幼いころを。私の隣にはいつも彼がいて、日が暮れるまで遊びに興じて、またねといって次の日を待つ。それがどんなに愛しい日々だったことか、と、悔やむのにも、もう慣れてしまった。
 何度目かの読み返しが終わって、私はようやく筆を執った。今日の予定は、決まったようなものね。今日は、彼からきた手紙を何度も読み返しながら、まる一日かけてお返事を書こう。なんてぜいたくな時間のつかいかたかしら、と、私はひとりで悦に入った。

 手紙のはじめに大好きなかいとくんへ、と、書いていたのは昔の話。今は、昔のきもちをそのままに、拝啓からはじめるの。

つんばるといいます。世の中のすみっこでしがないモノカキやってます。
MEIKOがすきです。KAITOがすきです。カイメイがすきです。

写真素材はサイズ・色調その他、改変自由のフリー素材です。お好きにどうぞ。
なにかが誰かの琴線に触れたらさいわいです。

⇒ブログ:http://phantomlake.blog58.fc2.com/
⇒メール:croak-crash【あっとまーく】hotmail.co.jp

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