<きのこオーブを追え! 鏡音時空探偵社! 第7話 鏡音レン>

(4126年・イギリス・鏡音時空探偵社)

ルカ:最後の“「ココロ」のきのこオーブ”、それは、レン君、あなた自身よ。

レン:え・・・・ええええええ!!!!!。

リン:向こうに行ったら詳しく説明できないから、ここで話しておくね。集めていたモノは、一応“きのこオーブ”って呼んでいたけど、正確には戦闘艦に搭載してある“空のきのこオーブ”装置に『接触』させる事で、各機能を発現できるモノなの。エネルギーを送る感じよ。

カイト:1番目の『賢者の石』は「思考」のきのこオーブにエネルギーを与え、戦闘艦のCOMP機能を動作させます。2番目の『妖刀村雨』は「技巧」のきのこオーブにエネルギーを与え、戦闘艦と機動兵器が持っている“二種類のエネルギー刃”である“ムラサメブレード”にエネルギーを与えます。1つは操縦者の姿をした機動兵器が発進して斬りかかる斬撃刃、もう1つは“遠隔操作”により、オールレンジ攻撃が出来る、エネルギービット型の突撃刃。

リン:3番目の『スタールビーの指輪』は「動力」のきのこオーブにエネルギーを与え、4番目のオーブ装置と連動して、遠距離主砲“スタールビーキャノン”を動作させます。4番目の『竜の卵』は、「守護」のきのこオーブにエネルギーを供給し、戦闘艦にタイムトラベル能力と航行エネルギーを与え、且つ、スタールビーキャノンにもエネルギーを供給し、さらに戦闘艦全体をシールドバリアーで包み、ある程度の攻撃を無効化します。5番目の『ローラ』さんは椅子に座る事で「生命」のきのこオーブにエネルギーを与え、エネルギーの循環機能を担います。またCOMPと連動もします。

ルカ:そして最後、レン君、あなたの役割だけど、ズバリ!、『時空戦闘艦スウィート・アン』のメインパイロットよ。操縦シートとの接触により、操縦席前にある『「ココロ」のきのこオーブ』にエネルギーを与えて、このきのこオーブから、戦闘艦全ての機能をメイン制御する事になるの。

リン:私たちは、全員コパイロット、ルカさんとローラさんが副操縦者。私がレーダー担当、ミクさんが機動兵器が持っている斬撃型ムラサメブレードの武器操作、カイトはタイムトラベル担当で、トラベル中の年代確認、メイコ警部はスタールビーキャノンの操縦。
メイコ警部:私もクルーになってる・・・。って!、私、戦闘艦の主砲の操作なんてしたことないですよ!。
ミク:同じく機動兵器の武器の扱いなんてわからないミク。

ルカ:あ、それは大丈夫。メイコ警部の主砲コントローラーは無線拳銃型だから、通常姿勢での拳銃射撃をしていれば撃てるようになってます。ミクさんの斬撃型ムラサメブレードは無人機動兵器の武器で、コントローラーは竹刀型です。素振りをする事で斬るモーションになります。両方、21世紀の操縦方法で言うなら、“マスタースレイブ操縦法”とかいうのだったはずよ。動きを取り入れる方法なら“モーションキャプチャー”とかいうのだったかな。
メイコ警部:あ、それならわかりますし、操縦出来ると思います。警察の捜査で、マスタースレイブ操縦型危険地区行動用ロボットを扱った事があるので。
ミク:竹刀の素振りだったら出来るミク。
リン:こっちも伊達にあなた達を調査してないからね~。

レン:あの~、ところで僕の担当である“メインパイロット”の操縦方法も、そのマスタースレイブ操縦法なんですか?。
ルカ:いえ、違うわ。
レン:じゃあ、無理ですよ~。僕、車の運転すらやったことないのに・・・。
ルカ:あなたのコクピットには手で握るモノがないの。「ココロ」のきのこオーブが1つあるだけ。
レン:え!?、じゃあどうやって戦闘艦を操縦するんですか?。
ルカ:きのこオーブの名前の通り、あなたの“ココロ”で操縦するの。

レン:は!?。

ルカ:“発進”、“浮上”、“着陸”、“右旋回”、“左旋回”、“回避”、“バック”、他の多彩な動きは、あなたの感じたココロの中身を「ココロ」のきのこオーブが読みとって、戦闘艦に直接フィードバックするようになっているの。だから、あなたは頭の中に入ってくる戦闘艦のイメージを、ココロで動かせばいいのよ。それを、手で触れているきのこオーブが直接か、接触しているシートが読みとって“きのこオーブ”に伝達するかで、戦闘艦を動かしてくれるの。
レン:ココロって、僕は訓練されてないから、戦闘中の恐怖、雑念、妄想だってありますよ!?。
ルカ:それは大丈夫。脳波の波形から、戦闘艦の操縦に関係しないものはオミットされるから。それに私たちコパイロットが副操縦しているから安心してね。・・・そうそう、あなたはもう1つ、武器も操作する事になるから。
レン:え゛!。
ルカ:オールレンジ攻撃が出来る、遠隔操作型エネルギービットタイプのムラサメブレードよ。これは貴方の意志を感じ取るだけで、自動操縦される事になるの。“攻撃しろ”、“戦闘艦を護衛しろ”、“突撃しろ”等のあなたの考えを「ココロ」のきのこオーブが読みとって、ムラサメブレードに情報を送り、自動的に行動してくれるわ。
レン:ちょ・・・超能力者じゃあるまいし・・・・む・・・無茶苦茶だ・・・・。
ルカ:大丈夫、人類でたった一人の“きのこオーブに選ばれた男の子”、あなたなら出来るわ。
レン:ここまで来たら、“ダメです“、は通用しないから、やってみますよ。メイコ警部だってミク君だってやるんだから。
リン:私たちもサポートするから大丈夫だって!。

メイコ警部:ところで1つ大事なことを訊いていいかな?。その“時空戦闘艦”、今、どこにあるの?。
ルカ:私たちの時代、6666年の地下基地にあるわ。
メイコ警部:ちょ・・・まさか、私たち3人も、その6666年に行くの?。
リン:言いたいことはわかります。タイムトラベルの禁忌“今の時代より先には行くな”を破る事ですよね。
レン:というか技術的に“今より先にはタイムトラベル出来ない”から、そんなこと、そもそも出来ないんだけどね。
メイコ警部:しかし、ルカさん達と同行することで、それが出来てしまう。

メイコ警部:・・・・これはタイムトラベルの誰も破ることが出来ない規約の違反になるけど、もう、最後までつきあうわ。
ルカ:ありがとう。私たちもあなた達がこっちに来ることで重大なパラドックスが起きないように、慎重にやっているの。これまでも同等品とすり替える事で、歴史が変わらないようにしてきましたし。
リン:そこら辺は安心して。

カイト:・・・・ちょっといいですか、皆さん。僕たちの時代の状態をちょっと調べたんですが、宇宙人のメインコンピューター“プリマ”が積んである“母艦”の艦隊が、僕たちの地下基地へ向かってます。上から総攻撃を喰らったら、地下に待機してある“アン”がヤバイです!。

レン:もう時間がない、ということですね。
ルカ:細かい持ち物はタイムトンネルで繋がっているレン君のカバンから取り出せるから安心してね。とにかく私たちについてきて下さい。基地できのこオーブを装着して、戦闘艦の起動準備をします!。

メイコ警部は、自分の電子銃を手にとって眺めた。

メイコ警部:(相棒・・・、一度も撃つことがないと思っていたけど、ちょっとだけ貴方の力、借りると思う。)

ミクはネギブレードを1本持っていくことにした。

ミク:(ミク・・・また、あなたの力・・・借りるミク。)

レンは例のカバンをテーブルの上に置いた。

レン:皆さん、もう時間がないです。僕たちの遠い子孫のため、そして、僕たちがこの時代までに作った“ツケ”の清算のため、行きます!!!!。

全員:おお!!!。

全員、カイトの懐中時計から広がったタイムトンネルに入り、レン達は初めて通ることになる“未来へのルート”に踏み入れた。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • 作者の氏名を表示して下さい

きのこオーブを追え! 鏡音時空探偵社! 第7話 鏡音レン

☆オリジナル作品第4弾である、「きのこオーブを追え! 鏡音時空探偵社!」の第7話です。
☆遂に“戦闘編”開始です。ちょっと良いところで切りましたが、戦闘編はちょっと長いのでご了承下さいませ。

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hata_hata様が、第1作目のきのこ研究所のイメージイラストを描いて下さいました!。まことに有り難う御座います!。
『「却下します!」』:http://piapro.jp/content/oqe6g94mutfez8ct

☆hata_hata様が、第2作目のきのこ商店街のイメージイラストを描いて下さいました!。本当に有り難う御座います!。
『causality』:http://piapro.jp/content/c0ylmw2ir06mbhc5

☆nonta様も、同じく商店街のイメージイラストを描いて下さいました!。本当に有り難う御座います!。
『ようこそ!、きのこ駅前商店街へ!』:http://piapro.jp/content/dmwg3okh7vq1j8i1

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投稿日:2010/03/02 18:51:37

文字数:3,245文字

カテゴリ:小説

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  • enarin

    enarin

    ご意見・ご感想

    hata_hata様、こんにちは!

    > わざわざのメッセ、ありがとうございます

    こちらこそ、遅れての連絡メッセを送らせていただき、さらにご覧頂きましてありがとうございます。

    > 2話を一気に読める嬉しさw

    ご連絡遅れましてすみませんでした。今回は2話分となりました。

    > シークエンス

    これは実は最初は擬音だけだったのですが、あんまりだったのでデコレートしました。結果としては一番”凝った”場所になりました。

    > 誰が当初の話から想像出来ましょうか!

    これは書く前の案では”人造人間”を作っていくパーツだったのですが、某アニメとかぶるのでやめて戦闘艦に変更。でもってシークエンスを含めた”きのこオーブを使う”シーンでは、出来るだけその機能を使っている事を表すために、物の名前を出すことにしました。結果、”竜の卵”だけは最後までそのままの名前を使いました。

    > レン君も正にヒーローの風格

    これから”戦闘シーン”なので、レン君にはもうロボットヒーロー物の主人公になっていただきました。

    > 「僕が一番巧くこの戦艦を動かせるんだ!」

    戦闘艦”スウィート・アン”の色は決めてないんですが、やっぱり”トリコロール”がいいですかね(^o^)/。あ、でもG3型という設定なら、渋い灰色とか・・・。

    > これから種の存亡を描けた戦いが始まる

    そうです。まさに種の存亡です~。それを実感できるのは、実は最後あたりになります。でもとりあえず戦闘には勝たないとだめですけどね。

    > あ、どうしても機動兵器“ハチュネ”のところで

    えっと、実は書いている最中の私の頭の中では、あの”はちゅね”の姿ではなく、もっとメカメカでロボットでそれでいて4頭身程度のはちゅね型(シンボルのツインテール、ヘッドセット、緑の目、ネクタイ、ミニスカート、ニーソで構成)になってます。ちなみに8話の戦闘シーンでも書いているんですが、携行武器”ムラサメブレード”はミクが強制的に”ネギブレード”に変え、しかも色はここで書いているとおり、”緑と白”です。

    ご閲覧、コメント、有り難う御座います!。

    2009/05/04 10:21:16

  • hata_hata

    hata_hata

    ご意見・ご感想

    こんばんはー!

    遅れました~!わざわざのメッセ、ありがとうございます。
    うはぁ、もう8話も上がってる><でも2話をを一気に読める嬉しさw

    巨大な戦艦が徐々に起動していくシークエンス。これは萌え・・や、燃えざるをえない!!
    “きのこオーブ”がこの為だったなんて、誰が当初の話から想像出来ましょうか!
    レン君も正にヒーローの風格が出て、カッコイイです!
    やるときゃやるぜ!男の子っ!!「僕が一番巧くこの戦艦を動かせるんだ!」ですねw

    さて、謎も解き明かされ、これから種の存亡を描けた戦いが始まる・・・。
    wktkしながら8話に行ってきます。とぅお~!!

    あ、どうしても機動兵器“ハチュネ”のところで絵を想像してしまって、
    笑ってしまいます。ごみんなさいw

    2009/05/04 00:03:24

  • enarin

    enarin

    ご意見・ご感想

    nonta様、今晩は!

    > おおお!バトルですか!

    シナリオ的にそうなりました~。あんまり戦闘とかをいれるのはいかんと思うんですが・・・。ちなみに相手は、母艦のCOMPの名前がプリマというだけで、ほとんど機械の宇宙人がいるだけです。生身のボカロは一応関係無しです。

    > 能力は勿論のこと、ある程度の思考や行動のパターン自体が調査されていて、信頼され選ばれたというカタチなのかなと思えてきますよね。

    そういえば”伊達に調査してないよ”と言ってますから、事前に調べたのだと思います。

    > めちゃくちゃスケール大きいです。

    すんまそんです orz。自分で考えている時、出来上がってアップしただけの時は、そんなに感じないんですが、コメント頂いて、読み返すと、スケールがいきなり大きくなりすぎてますよね。反省反省・・・。

    とりあえず進めたので、頭にあるラストに続けていきます。でも戦闘編は派手に行きますよー!。

    ご閲覧、コメント、有り難う御座います!。

    2009/04/29 21:31:34

  • enarin

    enarin

    ご意見・ご感想

    nai☆様、今晩は!。

    > 思考走査型操縦のバトルシップとは!

    そうか!、”走査”って言葉がありましたね!。忘れてました!。ちなみに意志で動く戦闘艦はさすがに見たことないですね。そもそも戦闘艦のメイン操縦を、一人に任せることはないですからね。

    > 安全装置があるんですね~

    はい。さすがにこれを付けないと、戦闘艦があっちゃこっちゃに暴走してしまうので。

    > ↑→↓←△×□○とかの隠しコマンドがきっとあるに違いない!

    上下左右BAで、倒した戦艦の数だけ最強武装に慣れます。ウソです。今回の戦闘艦の装備は、あっちゃこっちゃのアニメとゲームから引用しているので、恐縮です・・・・orz

    > レン君は選ばれし男の子なんですねぇ。

    これも戦闘ロボットモノでは定番かも。

    > テンションUP↑ですねw

    人が変わったみたいですよね。これは、操縦席周りの装備に影響を受けてます。特に自分の中にあった”「ココロ」のきのこオーブ”のエネルギーが詰まった器の影響が。

    > 「それでも男ですか!軟弱者!!」と平手打ち

    ”俺は元々軍人向きじゃないからな”って言って、艦を降りてしまいますね。でもってまた帰ってきてキャノン砲打ちまくり。

    > 6666年…をいをいw 6が並ぶと、ついつい『ヨハネの黙示録』のアレを思い出しちゃうじゃないですかw
    しかしある意味、終末感が臭っていて、雰囲気出ている年ですねw

    これは666=ダミアン、を意識しました。というかそこから取りました~。まさしく何もしなかったら、6667年はやってこないという最後の年、そういう感じです。

    > メイコ警部の射撃、ミクのネギブレード、そしてレンのファンネル…じゃなくてビット

    これはもうお約束ということで。戦艦主砲、機動兵器の斬撃武器、ビット、これらでどうやって大軍団を倒すのか、お楽しみに!。ひっぱって、恐縮です~。

    ご閲覧、コメント、有り難う御座います!。

    2009/04/29 21:25:24

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