「ありがとう」今もまだ
上手く言えぬままで　胸に留めている
紫陽花の青紫（むらさき）が
滴る雨の中　静かに揺れている

季節の移ろい　溢れてく記憶達
指折り数えて

離れかけた指先　届かない想い絡まり続けて
窓にそっと口付け　冷たい余韻を残したまま
今日も独り

ありふれた毎日が
とても幸せだと　現在（いま）になって気づく

あの日見上げてた　青空に掛かる虹
瞼に残して

今も降り止まぬ雨　帰らない背中ただ待ち続けて
傘でそっと涙を隠し　独り立ち尽くしたまま
変われない日々

止まった心　進む秒針　どんなに重なっても
過去（とき）に忘れた　探してたもの　何処にも見つからない
笑った顔　怒った顔　今も覚えている
声を殺して泣きじゃくっても　剥がれず色褪せないから

離れかけた指先　届かない想い絡まり続けて
窓にそっと口付け　冷たい余韻を残したまま
見つめている

窓の外は今日も雨　差し込んだ陽射し閉じ込め続けて
紫陽花の花、雫　健気にただ咲き乱れたまま
独りきり　ああ　待ち続ける　晴れ渡る空を

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ありがとう　いまもまだ
うまくいえぬままで　むねにとどめている

あじさいの　むらさきが
したたるあめのなか　しずかにゆれている

きせつのうつろい　こぼれてくきおくたち
ゆびおりかぞえて

はなれかけたゆびさきとどかない
おもいからまりつづけて
まどにそっとくちづけ
つめたいよいんをのこしたまま
きょうもひとり

ありふれた　まいにちが
とてもしあわせだと　いまになってきづく

あのひみあげてた　あおぞらにかかるにじ
まぶたにのこして

いまもふりやまぬあめかえらない
せなかただまちつづけて
かさでそっとなみだを
かくしひとりたちつくしたまま
かわれないひび

とまったこころ　すすむびょうしん
どんなにかさなっても
ときにわすれた　さがしてたもの
どこにもみつからない
わらったかお　おこったかお
いまもおぼえている
こえをころしてなきじゃくっても
はがれずいろあせないから

はなれかけたゆびさきとどかない
おもいからまりつづけて
まどにそっとくちづけ
つめたいよいんをのこしたまま
みつめている

まどのそとはきょうもあめさしこんだ
ひざしとじこめつづけて
あじさいのはな、しずく
けなげにたださきみだれたまま
ひとりきり　ああ　まちつづける
はれわたるそらを