醒めない夢のなかで曖昧な希い探せ
だいたいは刹那さだけ見つかるものだからね
褪めない碧のなかで博愛するような風
詩──いま咲いた花の名前
涯てしない呼吸は空虚すぎる
静かな些々めき
宙をただ搖蕩えば聞こえる
月あかり　綻ぶ
透明に甘やぐ馨り　零れてしまいそうな涙
「そうだよ、消えそうだよ」と囁く聲
共鳴するような祈り　この睛に反射するみたいだ
こうして思考していたら
感情が澄みわたり
胸を満たしてばかり　嘘を吐く物語
パズルは紐解かない
睡りはそのままに
瑠璃の羽は散らないから　無垢に染まった天は
藍碧の天鵞絨を纏うだろう
遙かな綺羅めき
驟雨が攫った更紗
数える星宿　瞬く
木犀の淡やぐ馨り　零れてしまいそう　花片
「そうだね、消えそうだね」と答える聲
いま静謐に　秘やかに　この手を包んだみたいだ
そうして夢想していたいのさ
会いたいひと
静かな微眠み
宙をただ搖蕩えば聞こえる
天鏡を滑る
透明に甘やぐ馨り　零れてしまいそうな涙
「そうだよ、消えそうだよ」と囁く聲
游泳する光　眩暈　この睛に反射するみたいだ
こうして思考していたいのさ
ああ、木犀の淡やぐ馨り　零れてしまいそう　花片
「そうだね、消えそうだね」と答える聲
いま明晰に　かなしげに　この手を包んだみたいだ
そうして夢想していたいのさ
ああ、銀色に零れだす涙