レンが帰ってきた。


 本当なら、レンに何所へ行っていたのかと聞きたいところだった。

 しかし、私は聞かなかった、聞けなかった。

 3人の間を流れる重苦しい空気。

 それが何を意味するのか――――――?





 
 レンが一人遅れて夕食を食べ終わり、皆でリビングのカーペットに座り込んだとき、レンが持ち帰った木箱を丁寧にテッド君があけた。

 その中身は―――――――

 
 ドレスだった。

 
 純白の生地にパールの飾り、胸元には薄いオレンジ色のリボンがふんわりと縫いつけられている。

 


 ――――美しい――――

 私はそう思った。ただ純粋に『美しい』と。

 


 私はその言葉を口に出した。

 「綺麗―――――」


 3人の反応はない。

 皆一様に黙り、ただそのドレスを見つめている。


 
 重苦しい空気の中、テトちゃんが口を開いた。

 「………レン様、このドレスを持って帰ってきたということは…」

 「ああ、そうだ。」

 「でもっ!」

 「テト!!!」

 テトちゃんの言葉をさえぎったのはテッド君。

 「…レンも、もう分かってるから大丈夫だ。
  リンさんにも、ちゃんと言わなきゃいけないだろ?」

 皆黙ってしまった。

 私は何も理解できていない。

 ならば、尋ねればいい。


 「レン、このドレスは何なの?
  テッド君、何が『大丈夫』なの?
  テトちゃん、私にも分かるように説明してよっ!!」

 
 「これは、このドレスは…俺の母親の形見だ。」


 レンはそういった。

 でも、レンの母親は生きているはず。何で?


 そして、私の心を見透かしたように、レンは告げた。




 「俺を生んだ母親は、もう、この世にはいない。」




 部屋の空気が冷たく感じた。

 おもむろにテトちゃんがクーラーの電源を切った。

 部屋に響いていた機械音が止まり、部屋の中は『無』になった。

 私はただ目を見開いて、その言葉を寝言のように繰り返し口の中でつぶやくだけだった。












 



 

 

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

彼らの恋の結末は7,リン視点

皆様!!お久しぶりです!!!
無事テストが終わって復帰しました♪

展開がいきなりすぎて話がよく分からなくなっている人もいると思いますが、作者である私自身も同じなので大丈夫です←

閲覧数:337

投稿日:2011/07/17 13:56:05

文字数:906文字

カテゴリ:小説

  • コメント2

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  • シベリア

    シベリア

    ご意見・ご感想

    レンのお母様はいない!あれ…!?あれ!?
    一体何があったんだ!!

    ドレスが入ってたのか!すごい!形見とは…
    もしかしてそのドレスはレンが着るのk(((((逝け、変態。

    テストお疲れ!!テストが終わった後の開放感はいいよね!
    続き楽しみにしてるね^^

    2011/07/17 22:49:01

    • 紅華116@たまに活動。

      紅華116@たまに活動。

      シベリア>
       落ち着けシベリア!!
       私も何があったかは分かってない!ノリで書いてたらこんなことになってしまった…どうしよう!?

       ドレスが形見って凄いよn((((作者の癖に他人事にすんな
       このドレスはレンに良く似合うと思うy(((((お前も一緒に逝って来い。

       テストが終わった後の開放感って凄いよね!!
       続きも頑張るよ?^^

      2011/07/18 13:25:54

  • 絢那@受験ですのであんまいない

    レンの母上がお亡くなりになっていたとな!?
    ていうか形見がドレスってすごすぎ…どんだけ金持ちなんだよwww
    日常生活で普通にドレスを着るなんて憧れる~!!

    レン様、さっさとリン様と結婚してくれなければ私が困ります!!

    テストお疲れ様!
    いきなり話が飛躍するのはよくある事だしいい事だと思い込んでいる←

    2011/07/17 14:32:19

    • 紅華116@たまに活動。

      紅華116@たまに活動。

      チミー>
       うん。書いていた私も驚いた←
       日常的にドレスか…なんか疲れそう!!
       
       私も困ります!!レンリンは美味しいしねwww

       ありがとう^^
       そう言ってくれるとありがたい!!チミーありがとう!!

      2011/07/18 13:19:07

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