冗談じゃないわよ!何なのよこの課題!前回のでそっち系に走るつもりって訳?!

「鳳仙花さぁん…。」
「あれ?花壇も逃げて来たの?」
「だってぇ…。」
「判る、うん判るよ!あのまま居たらケダモノの餌食よね!」
「凄い勢いで探してるみたいです…。」
「ああ~んもう!2人はさっさとクリアしちゃうし…!」

建物の影で2人困り果ててしまった。と、其処へ急に人影が現れる。

「何してるの?」
「きゃあああああああっ!!」
「ぴゃああああああああああっ?!」
「な…何よ人を化け物みたいに…。」
「あぁ!『リトルフラワー』!!」

あたし達は地獄で仏を見付けたかの如く『リトルフラワー』に事情を説明した。

「また、最低な課題ね!」
「そうなのよ~~~!」
「でもクリアしないといけないし…。」
「昨日暴れ過ぎて怒られちゃったから殴れないのよね。」
「あ!花壇!帽子屋さんは?あの人ならすぐじゃない?」
「帽子屋さん?確か今回Jokerだと思ったけど…あ、言っちゃまずいんだっけ。」

花壇ががっくりと肩を落とした。つまりクリアするには他のプレイヤーかNPCの力を借りないとダメって事ね…。だけどプレイヤーって揃いも揃ってアクが強いって言うか、キャラが濃いって言うか、出来れば関わり合いたくないタイプなのよね…。

「あ、ハレルヤさんは?結構まともな方だと…。」
「でも1人余りますよ?」
「…ジャンケンする?」
「う~~~~~ん…。」

3人でまた唸っている所に遠慮がちな声がした。

「おい、ジャンケンで選ばれる身にもなれよお前等…。」
「出たわね!チャラ男!」
「何でお前も居るんだよ?!」
「この2人に手を出すなら今度こそ死なすわよ?!」
「ねぇ、花壇はどう思…って居ない~~~?!」

気が付けばあたし一人?!ジリジリと壁際に追い詰められて逃げ場が…!

「ちょっと!何してんのよ?!」
「課題だって言ってるだろ!!」
「あわわわわ…?!」

背中に壁が当たった。うぅ、これは観念するしか無い?!

「…ごめん!」
「えっ?!」

後ろから腕を引かれてフラついた所を思いっ切り抱き上げられた。

「え?!え?!…スナイパー?!」
「…お…重い…。」
「失礼ね!」

抱き上げてる腕がプルプルしてるのが判った。重いって言うのはちょっと失礼だけど、助けてくれた…のかな?

「…ありがと…。」

呟く様に言って目を瞑って頬に唇を押し当てた。

「なぁっ…!てめ…横から…!」
「カカカカカ!!鳳仙花様ー!スナイパー様ー!課題クリア――!!漁夫の利って奴だな!!」
「ありえねぇ…また走るのかよ…?」

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

DollsGame-37.エピデンドルム-

とんびに油揚げ

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投稿日:2010/08/05 08:56:27

文字数:1,099文字

カテゴリ:小説

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