変人王子クロニクル

星を眺めて　いつもひとりぼっち
あーもう　まっくらやみさ

ねこを抱きしめ　ベッドに飛び乗る
毛糸の　ぬいぐるみ

今宵は　真綿の劇場で　
虫の声のワルツで踊り回る
巷の噂じゃ　危ない子
ちょっと　まともで利口で
立派な良い子　居ない？

変な　変な　王子様
誰も本音を　知らないの
変な　変な　王子様
彼は　冠しかないの
みんな　そいつを取りに来る

今日はお菓子で　お城をこさえる
クリームをトッピングして
枕やカーテン　刺繍をほどこす
動物いっぱいに

遊びの相手は　此処にだけ
ぬいぐるみや書物が　そこら中
寂しくないのは　独りだけ
ずっと　外には出たくない　
興味ない事はしない

変な　変な　王子様
いつも何も言わないの
変な　変な　王子様
彼は　冠いらないの
みんな　そいつを付けに来る

だれもかれも　「キミは変わってる」
やがてそれも　過去になっていく

大人になって　キミは変わっていく
みんなにとって　まともになっていく

変なお城の　王子様　ゆらゆら振り返る
溶けたお菓子の王子様　ゆらゆら振り返る

変な　変な　王子様
誰も昔を知らないの
変な　変な　王子様
彼は　冠しかないの

変な　変な　王子様
誰も本音を　知らないの
変な　変な　王子様
彼は　冠しかないの

みんなそいつに成りたがる
嗚呼　途切れぬクロニクル