縫い目が痛いのヒリヒリチクチク
黙っていれば良かっただけなのに
つまらないことを呟いては縫合
喋らせないための物理的制裁

鼻歌なら歌えるからってフンフン
楽しそうにステップ踏めば腹いせ
口なんかただの空気穴でしかない
私はそこに縛られたりはしない

人の口に戸は立てられないなんて
大工さんもきっと困った顔で金づち
お喋りできなくても笑顔にはなれる
「調子に乗るなよ」って釘を刺してる


針目が痛いのズキズキビリビリ
知らんふりしとけば良いものを
残酷な真相を知らぬよう継ぎ接ぎ
狂わせないための心理的陽動

人形なら痛くないってカクカク
ぎこちない動きで偽物演じて
心なんかただの肉片でしかない
私はそこから逃げることが出来ない

人の心は面の如しなんだって
お面屋さんもきっと困った顔で腕組み
顔が分からなくても人なら別に
「冷やかしなら帰れ」ってバケツに冷水


中身が抜けて飛び散るからって
何度も当て布縫い目はそこら中
自分は布か糸かも分からない
まるでゾンビの包帯みたいだ

自分の糸に巻き付いてグルグル
解けて消えて線になっていくだけ
風に飛ばされて木に絡まって
もう縫われることも無いって?

もう一度自分を縫い上げるのは
どれくらい面倒臭いのかなって
自分でもこんなにやりたくないのに
誰かにされるなんてまっぴらごめん



目にはボタン口はバッテン
真っ白な綿で脳みそと内臓
前の見えない目で涙して
息の詰まる口で笑って

人の足には縫い目八針なんて
お医者さんはきっと裁縫好きじゃない
そんなの聞いた事も無いって?
だって今作ったことわざだもん



さぁ今日も死んだふりで過ごそうか
生きているのがバレないようにさ

ライセンス

  • 非営利目的に限ります

ぬいぐるみ生命

閲覧数:55

投稿日:2022/01/28 20:26:30

文字数:721文字

カテゴリ:歌詞

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