水から逃げるように魚が
飛び跳ねて空を抱くこの橋の上で
見つめる顔が眩しくて色を失った視界

魅き込まれた同士をすりつぶす
錆びついた歯車は
向かう場所も知らずに
赤い靴を履いた時回り始めたの？

ぽたりぽたり落ちる滴が
想いさえも攫ってく
ふわり浮かぶような
軽さと香りだけを残した
私の残滓


激しく熱を持っただけでは
縁り合わせた優しさも擦り切れてしまう
幾度も越えた夜だって未来までは縛れない

昨日海に投げた指輪さえ
肌に痕を残すけど
笑うことも忘れて
焼けた靴を履いたまま踊る気はないわ

期待しない焦がれる体が
求めるモノ選んでも
後に残るものは
熱さも育て上げた過去も
打ち消す苦味


目隠しして耳ふさいで
互いに紡ぐセレナーデ
言葉さえも届かないのに吐息も触れる距離で
もがくだけの不出来なショー
夜明けの晩に後ろ向いたって誰ももういない


ぽたりぽたり落ちる滴が
全てを洗い流して
後に残るものは誰かを包む甘さを持った
見知らぬ私

きらりきらり光る滴を
止めることはしないから
終わり迎えること
怖くてたった5文字で告げた
私を許して