タイトル未定(4)

投稿日:2019/10/17 17:33:24 | 文字数:1,186文字 | 閲覧数:19 | カテゴリ:小説

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ボカロ小説(童話)つづき

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「タイトル未定」

4.花壇の中の部屋

 チュチュチュ チュチュチュチュチュ……

 小鳥の声が、聞こえた気がする。でも、小鳥なんて、私、飼ってないし、それに、ここは、家の中。気のせいかな。今度は、ドアを、叩くような音がする。外から? ううん、中から!

 おそるおそる台所へ行ったら、調理戸棚から、音がしているみたいなの。何か、瓶みたいな音。

 お昼近くまで、眠った午後だった。もし、これが夜だったら、ネズミでも居るのかなって、思っただろうけど、一体、何? 試しに、叩き返してみたの。

 「わ、痛いな。耳に、痛いよ。」

 男の子の声? 聞き覚えのない声。さっきまで一緒に、トーストを食べていた、私の同居人とは、ちがう声。

 「誰ですか。」

 冷めた声で、尋ねてみた。

 「誰ですかって!? 僕を知らないの? とにかく、開けて。ここは、暗いから。」

 開けたけど、誰もいない。ただ古びた、オリーブオイルが、さっき、出したコーン油のうしろに隠れていたようで、それが、突如、現れたようだった。

 試しに、その瓶を持ち上げて、蓋を開けたら……。

 私の隣に、見知らぬ男の子が、立っていたの。
 「あー。久しぶり。助かった。もう、一か月、いや、半年ぶりだね!」

 しかも、その人は、怪我をしているのか、からだのあちこちに、包帯を巻いていた。もし、今が夜だったら、本当に、冗談ではなく、お化け屋敷のミーラだと思っても、間違いではなかったでしょう。

 「あなたと、オリーブオイルの関係は?」
 私は、怖がっているのを、知られたくなかったから、機械的に、訊いてみた。

 「僕と、オリーブオイルの関係? 見ての通りだよ。僕は、君が忘れたオリーブオイルの、OLIVERだよ。」

 久しぶり、とまた、その人は、言うのだった。
 「おかげで、何日も、何週間も、僕の恋人の、アロエに会えなかったじゃないか。この小鳥は、もともと、アロエの飼っていた小鳥なんだ。でも、僕に、なついちゃったから、仕方ないね。」

 「で、そのアロエさんは、どこにいるの?」

 「それは、決まってるさ。あの鉢植え。寒いからって、日の当たる、ベランダに移したんでしょ。でも、もともと、ここにあったよね。僕のすぐ近くに。」

 確かに、部屋の模様替えをするまでは、そうだったのかなって、想像するけど、覚えていない。それを見透かしたように、OLIVERは、言った。
 「君の〈思い出〉に、僕は、居ないんだね。無理もないけど。わかってるよ。全部、アロエから、聞いたから。」

 どういう意味? と、聞こうと思ったのに、OLIVERは、
 「アロエに会ってくる」と言って、ベランダへ行ってしまった。
 アコーディオンカーテンで仕切った、部屋の隅には、確かに、いろんな鉢植えの花が、置かれたままだった。

 ガーリーで、キュートな作品を目指したいと思います。
よろしくお願いします。

 

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