住み慣れた自分の街を離れ 早くも一年が過ぎました
こっちの街はそっちにとてもよく似ていて
少し空気が悪いような気もしますが 人も優しく
私はすぐに今の街を好きになりました

引っ越してすぐの頃 そちらが恋しくて
私は夜毎に涙を零していました
でも そちらでも皆頑張っていると思うと
自分が零す涙がいかに情けないかを知り
また歩き出すための勇気に変えることができました

「そんなに遠くないから一度そっちに遊びに行くよ」
そう言っていたあなたは こちらで風景写真を撮りたいと言っていました
こちらの景色は 私もすぐに大好きになりました

春は桜が美しく 夏は人の往来がにぎやかで
秋は散りゆく葉が儚く 冬は街に降り注ぐ雪がとても綺麗です
あなたが見たいと言っていた景色を 私は日々 目に焼き付けています

私が電話を掛けると いつも冗談を言って笑わせてくれて
一人でいる寂しさを忘れさせてくれました
いつもそっちでは地区の役員などで忙しそうだったあなた
授業中の着信があって 折り返しかけたら間違い電話
「これから会議に行くんだよ」と言っていて
電話を切るときにはいつものように「じゃあ またね」と言ってくれました

でも その「またね」が二度と来ないなんて誰が予測したでしょうか
あなたは私の街の景色写真を撮ることなく
私はあなたにこの街を案内することもなく
あなたはずっと遠い所に行ってしまいました
ずっと一緒にいられるわけないと分かっていたのに
それでも あなたがいなくなったと私は未だ認めたくないと思っています

未だに私は家に戻ったら あなたが笑って出迎えてくれる気がして
だけれども 優しい顔を見つけられず 私の胸は痛くなります

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
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近況報告

会えないほど遠くへ行ってしまったあなたへ。
遠くても、もう二度と会えなくても、この気持ちは消えることなく胸に残っているから。

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投稿日:2010/07/28 23:03:16

文字数:720文字

カテゴリ:歌詞

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