時計塔の鐘の音(ね)が
錆(さび)ついた時を告げる

迷い込んだ黒猫が
しゃがれ声で鳴いた

ゆっくりと踊るは
壊れたブリキの人形

花売る娘の
痩せた指に光る輪


町の外れの時計塔
頼りのない針の音

通りすがりの旅人が
見惚(みと)れた丸い月

レンガの小径に
枯れ葉が彷徨(さまよ)い舞う

花売る娘の
白い頬が濡れゆく


儚(はかな)き約束を交わし愛(いと)し人は消え
待ちわびる日々に花の色は移る


雨降りの日は赤い傘
落ちる雫 銀の奏具(バチ)

見知らぬ鳥の口ずさむ
懐かしき旋律(せんりつ)

幼き少年の
配る便りは風に

花売る娘の
髪を撫で吹き過ぎる


恋しき面影は去りし愛(あい)し時のまま
色褪せぬ記憶 花の色のように


凍てつく宵闇
散り初(そ)める氷雪(こおりゆき)

花売る娘の
心に落ちて積もる


儚(はかな)き約束を交わし愛(いと)し人は消え
待ちわびる日々に花の色は移る

去りし面影を想い憂(うれ)い花は散り
差し伸ばす指に触れる泡沫人(うたかたびと)


町の外れの時計塔
時を告げる鐘は失せ

古ぼけた油画(ゆが)カンバスに
残る 花売る娘

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

絵描きと娘と時計塔

コラボ用。

曲はこちら。
http://piapro.jp/t/De8A

閲覧数:293

投稿日:2014/04/19 15:10:15

文字数:497文字

カテゴリ:歌詞

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