大切なものを積み上げていって
順番に並べていったらいつの間にか
月まで届いていた

一番上の方はもう見えなくなって
そこからどう見えるかも分からなくて
見上げるのをやめた

あんなに大切だったものが遠ざかる
仕方がないってみんなは言うけれどでも
まだ知りたかったの

覚えきれない空まで届く一覧表
僕の中にはもう仕舞いきれないんだ
なんだか少し照れる

順番が愛を語るわけじゃない
表列に差異を付けるわけじゃない
出会ったものの数は豊かさじゃない
それでもなんだろう懐かしい匂い


散らばったものを整えていって
一通り並べていったらそれはいつしか
月から帰ってきてた

一周したことに気付いていなくて
他からどう見えるかも気にしてなくて
戸惑うのをやめた

あんなにたくさんあったのが嘘みたい
心がないってみんなは言うけれどでも
まだ涙は残ってた

数え切れない星まで届く標本棚
僕の中にはもう置いておけないんだ
なんだか少しはにかむ

整列が意思を宿すわけじゃない
剥製が内に寄与するわけじゃない
忘れたものの数は寂しさじゃない
その中にいつだろう消えない安らぎ


必要なものがどれか分からない
いるものがどれか分からない
あるべきものがどれか分からない
ここに居て良いか知る人がいない

おかしいんだ誰も知らないって知って
それだけでとても気持ちが落ち着くんだ
僕はみんなを知らないのにそれを知ってる
なんの繋がりもない未知という共有


僕に有る何も無い全てを見せて
時間を計っていったらそれはいつしか
満月がまた満ちた

ひと月経ったことに気付いてなくて
夜空が暗くなったのも気にしてなくて
星の輝きを見てた

あんなに空を見上げていたのに変だね
光がないってみんなは言うけれどでも
目が慣れてないだけ

唱えきれない誰かに届ける願い事
僕にはもう閉じ込めておけないんだ
最後の涙が一粒

星座が頬を撫でるわけじゃない
神話が涙を拭うわけじゃない
輝きの数は幸せとは限らない
そうだよだから僕はまたひとつ紡ぐ


伝わらない想いが星に
届かない優しさを月に
至らない苦しさを土に
沈めたい涙を海に


その波しぶきは最後の涙かも
だってほらね少しだけしょっぱい

ライセンス

  • 非営利目的に限ります

Plus Priority(except)

閲覧数:61

投稿日:2021/12/05 15:04:42

文字数:936文字

カテゴリ:歌詞

オススメ作品

クリップボードにコピーしました