「包囲網を広げろ、あの娘を何としても確保だ!」
「第3隊に応援を…!」

人が増えてる…?彼女一人を捕まえる為に何故ここまで大掛かりに…?このままでは消耗戦になってしまう、せめてリヌさんだけでも安全な所へ…!

「なっ…!翼?!」
「高侵蝕者か!くそっ…打ち落とせ!」

【TABOO】に戻れば皆が危険にさらされる…しかしこのまま振り切るのも難しい…どうしたら…一体何処なら…!

「……祈り…歌……地に…注ぐ…。」
「…?」
「…響け…願い……。」
「歌…?」

風に乗って微かに歌が聞こえる…?何処から…?誰…?

「上だ!」
「…っ!」

判らないが…あの歌の方へ行ってみるしか…!
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私は望む 恵みの風を 眠る大地よ 目を覚まし
咲きし花々 実を結び 種よ芽吹かん 命の風よ

その一雫 泉とならん

やがて全てに光が満ちる
やがて全てに歌が溢れる

私は紡ぐ 祈りの歌を 地に降り注ぐ 恵みとならん
緑を揺らす 恵みとならん 種よ芽吹かん 命の歌よ

その一雫 母なる海へ 

届け届けよ 祈りの歌よ
響け響けよ 願いの声よ

永久に全てに光よ満ちて
永久に全てに歌よ溢れん

届け届けよ 祈りの歌よ
響け響けよ 願いの声よ

永久に全てに幸福あれと
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真っ直ぐ透き通る様な、高く高く澄んで、だけど直ぐ其処にある様な、不思議な声…人でありながら人ではない…まるで…そう、まるで本物の…。

「カナリア…。」
「誰だっ!!」
「――っ!!がはっ…!!」
「白昼堂々良い度胸だな…カラス。だが無謀だ。」
「くっ…!」

気配を感じなかった…?この男…強い…!

「リヌちゃん!ま…待って詩羽さん!足どけて下さい!」
「頭踏むの好きなんだけどな…。」
「踏まないで良いですってば!」
「どうした?」
「あ…先…じゃない、な、騎士、あの…。」
「取り敢えず、詩羽、足どけて。その2人手当てするから。」

詩羽?…闇月詩羽…?それに確かに今騎士と…ならこの医師は…。

「奏騎士医師ですね…?」
「そうだけど…?」
「お話があります。」
「…………。」

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

BeastSyndrome -62.祈り唄の調べ-

頭踏んじゃダメですよ

閲覧数:131

投稿日:2010/06/20 18:40:42

文字数:949文字

カテゴリ:小説

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