シリョク 検査


「グミちゃーん!またねー!」
「んー、またねー。」

「あれ?あんた今日グミちゃんと帰らないの?」
「なんか保健室でも一回視力検査するんだって。最近黒板が見辛いって言ってたー」
「ふーん、それよりさーあのバカがまたアイスでおなか壊して…」

バタバタと友達が帰っていくのを見送って、目的の場所を目指す。
(そもそもなんで友達と何でも一緒じゃなきゃいけないんだろ、なぁんて)

目的の場所に近づけば、そのあたりの空間だけ切り離されたような錯覚を感じた。
白い壁、独特の匂い、学校という世間から切り離された箱の中でも特別な、部屋

(保健室って、なんか怖いって思うの私だけかな)

引き戸を、ノック

「失礼しまーす、視力検査しにきましたー、2年の
「やあ、グミちゃん!待ってたよー」
「鈴木先生…」

白い箱の主、鈴木先生。
白衣を身にまとい、イングリッシュスプレッドカラーのシャツにオレンジ色のネクタイで
柔らかな笑顔を標準装備した、いわゆるイケメン先生で、告白する女生徒が後を絶たないと噂の

「鈴木先生、あの」
「ん?どうしたのグミちゃん」
「その、グミちゃんって呼ぶの、やめてもらえませんか」
「えー?ダメかな。みんなそう呼んでるんだよね?」
「それは、友達だ、…ですから」
「じゃあ、僕も呼んじゃダメ?グミちゃんは生徒で僕は保険の先生だ。
 でもその前に、グミちゃんの幼馴染だよ。グミちゃん、可愛い君にピッタリでいいと思うんだけど」

そう、噂の鈴木先生は私の幼馴染だ。

「もういいです、さっさと視力検査お願いします、スズキセンセイ」
「はーい、じゃあ眼鏡を付けたままこれで左眼を隠してもらえるかな?
 見える?」
「片眼は塞いでませんから。でも、」
「ん?」
「先生が重なって見えます」
「それは、また…とりあえず、このまま続けます。
 指をさした円の空いてるところが上下左右どこか教えてね」
「はい」
「じゃあ、まず、これ」
「うえ」
「次は、これ」
「みぎ」
「これ、ね、グミちゃん」
「した」
「グミちゃん、好きだよ」
「ひだり」
「君が生まれたころから、たぶんずっと好きだったんだ」
「うえ」
「僕は君に出会えて君に救われたんだよ」
「みぎ」
「辛かったら、目を閉じて構わないから」

カラン、
片眼を隠していたものを落として顔を覆う

「だめだよ、私なんか、先生をうめるものなんて何にも持ってないよ。
 先生の言葉ですらちゃんと見れないんだよ。私なんて」
「ぼやけるなら…!」

顔を隠して何も見ないようにしていた腕をつかまれる

「目を閉じてていいから、それで構わないから、だから」

つかまれたままに、腕を取られて、そして顔をあげれば
今までみたことのない鈴木先生の、泣きそうな


「君が思うままに」

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シリョクケンサ C

大好きな曲がコミカライズ、
しかもそれがたまさんの漫画だと聞いて

発表前にたぎって創作しました
ねつ造です。完全なるねつ造です。

<グミちゃん>
みんなからそう呼ばれてる。
JK2
そこそこに仲のいい友達がいっぱい
鈴木先生と幼馴染であることを周りは知らない
<鈴木先生>
イッケメーン
でもグミちゃんが生まれた時からグミちゃん一筋
もちろん隠してる
二人きりになると告白魔と化す
が、ここぞという時でも触れてこない

鈴木先生→→→←(?)グミ
的な片思い?小説
続きは気分次第

シリョクケンサの漫画、楽しみです!

閲覧数:283

投稿日:2013/03/11 18:50:05

文字数:1,176文字

カテゴリ:小説

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