観測史上最高の雨が降った
青い　白い　空が溶ける

例えるならば一人で歩く
曲がり角での浮遊感
満ち足りたわけではなくて
欠けているはずもない

慈しんだつもりでときに手にかけて
得ては　捨てて　繰り返し
抱きしめることに慣れる日は来るのですか
それは　遠いものなのでしょう

傘を畳んで一人で歩く
坂道で瞬きをする
欠けているつもりはなくて
けれど今　立ち止まる

きっといつかこのときも幸せだとか
不幸だとかの物差しで
測るような日がくるのでしょうか
それは遠いものなのでしょうか

傘を投げて目を閉じ　呟く曖昧な言葉で
思うこと　願うこと　探ること
拾い上げて触れたのは　名前も知らない誰か

観測史上最高の雨が降った
青い　白い　空になる
水溜りに映る横顔を合わせて
交わす　言葉　初めまして
求めたものは君かもしれないと知れば
繋ぐ　指も　楽になった
観測史上最高の雨が上がる
青い　白い　空は光る