15+14+15+15+15+14+15+14
 披読(ひどく)の音がこの場所を満たす
 情報管理の閉鎖社会
 退屈過ぎて本を手に取れば
 忽(たちま)ちのうちにビブリオマニア

 ある日の僕は初めての本に
 出会ってしまった 無題絵本
 綻ぶ口を抑え腰落とし
 世界に溺れるdilettante


21
 表紙を捲れば何だか怪しい絵の世界


16+24+16+24+14
 シュールレアリスムは歓喜を歌う
 別々に向いた双眸の果てには歪んだ時計
 なんてuncannyな書物だろうか
 ホッチキスまみれ縫い痕(あと)の隠れたその縫い包み
 口に微笑を湛(たた)えたままで


15+14+15+14
 自然に腕がその次を急かす
 印象溢れる 無題絵本
 周囲の音はすでに消え去って
 世界にしみこむinterest


21
 頭を上げると何だか怪しい絵の世界


16+24+16+24+14+16+24+16+24+17
 シュールレアリスムは歓迎に鳴く
 スキップで笑う少女の手手(てて)には紅い包丁
 とみに突き立てたは自分の体
 吹き出した緑(あお)の液体は地面を彩る絵の具
 口に微笑を湛えたままで
 シュールレアリスムは終わりを告げる
 まどろみに落ちたその本に書かれたタイトルを見た
 そうかそういうことだったのか
 透明に溶ける本の正体は誰にも気づかれないな
 口に微笑を湛えた僕以外は!

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

無題絵本

自作小説を元に歌詞を書いてみました
ビブリオマニア - 愛書狂、書痴
dilettante - 好事家
uncanny - 不可解な

閲覧数:105

投稿日:2014/03/18 00:24:13

文字数:606文字

カテゴリ:歌詞

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