【ぽルカ】※学パロ、微エロ…なのか??




ツネノヒニアラズ。





同じクラスで、私の斜め後ろの席の神威は理事長の息子で、この学園で間違いなくトップの金持ちの御曹司。
ちなみにルックスはそこらのモデルより上だと認める。
こいつの周りにいる女は、なんとかして恋愛関係になろうとする。
そこいくと私は贅沢な立場かも。

「…ぁ…やっ…あぁぁ!イく、イっちゃうっ」
「ルカっ…」

屋上で街を見下ろして。
誰かが来るかもしれない、スリリングな情事。

なんとなく、いつものリズムで流れていく毎日は無味乾燥で。
メトロノームで刻まれた日々の中に、冷めた目をした神威が現れた。
きっと私もこんな目をしてる。

「おい、巡音」
「ん?」
「今日も」
「おk」

カラダだけの関係。
神威にも、私にも恋人はいる。
ただし、頻繁にとっかえひっかえするけど。
お互い、今の関係で満足してる。

そんなカラッポの関係、意味がないって思われる。
でも私たちは、自分だけではどうにもならない寂しさを、埋めようとしてるんだと思う。

神威との時間はそれなりに楽しいし、有意義…ではないかもね。
ただ、最中に名前を呼んでくれる神威の声は好き。
やめられない理由に、それはランクインしてる。







ある土曜日の保健室のソファに転がっていたら、現れたクラスメート。
自分と同じ色の眼と視線がぶつかって、やっと出た言葉。

「神威…」
「巡音、具合悪いの?」
「ちょっと熱」
「そっか」
「うん…っ」

頭がズキズキする。
だるい体を引きずってここまで来たのはいいけど、先生は帰ったらしい。
よりによってこいつかよ、と思ってしまったのは黙ってることにした。

「巡音、歩ける?ベッドに寝ろよ」
「襲うつもり?」
「んなわけねーだろ」

ここで歩けないとか言ったら、こいつの周りでキャーキャー言ってる女達と一緒にされる。
そう思って、私は立ち上がったけど足元が覚束ない。

「フラフラじゃん」
「しょうがないじゃん、熱あるんだも、んっ!?」

急に視界が反転した。
そして、気づいたら神威は私を抱きかかえていた。

「あっぶな…ちょっと、なにすんのっ」

神威は私を世に言うお姫様抱っこして運び、奥のベッドにぽいっと落とした。

「いった!投げないでよ…あんた、これ女の子の扱い方じゃないよ?」
「大丈夫大丈夫、お前だからなんともない」

私に毛布をかけて、乱雑に脱いだブレザーをキレイに畳んだら、神威はそばのイスに陣取った。
結構世話好き?

「お母さんみたい」
「お前を産んだ覚えは無いな」

渡された体温計。
襟元を緩め、脇にそれを挟んだ。
神威は私をベッドまで運んだ上に、いろいろ世話を焼いた。
イイヒト過ぎる。

「神威ってイイヒトだったんだね」
「は?どこが」
「優しいから…でも、タラシだよね」
「タラシじゃねーよ。まぁ知っての通り●●●●は上手いぜ」
「…はいはい。いろいろありがとう」

そう言って私は手をひらひらさせた。
あっち行って、の意味だった。
つきあってもいないのに、保健室に一緒にいてもらう義理はないから。

「…巡音」
「は?」

空中で停止した私の手を掴み、神威の整った顔が私の視界を占領する。
長い紫の髪がサラリと私の頬に落ち掛かった。

「……っ」

いつものことだ。
そう覚悟を決めて眼を閉じたら、体温計の電子音が鳴った。

「お、鳴った。何度?」

神威の吐息が唇にかかって、まるでキスされてるようで…私は顔を背けた。
仏頂面で、何事もなかったように私の上からから退いた神威に、38.9℃と表示された体温計を彼に渡した。

「残念。巡音とキスしたら風邪、伝染るかもな」
「そもそも病人に手出すなよ、女タラシ」

私はそっぽを向いて毒づいた。
神威は私のおでこをビシッとつついた。

「痛いって!」
「でも巡音さ、さっき眼瞑ったじゃん」
「あれ、諦めの境地」
「…ふーん。あ、巡音、俺って巡音とほぼ毎日ヤってるけどベッドでヤったことは無いよな」
「え?うーん、そうだけど何?てかあんたヤることしか考えてないね」
「そうでもないぜ?」
「例えば?」
「巡音の男は振られたかなーとか」
「え、すごい、なんでわかったの?」
「そーなのか?冗談だったのにマジか」
「うん、あんまり楽しくなかった」
「俺もね、別れたんだ」
「ふーん」
「ホント興味無さそーだなお前」
「他人の恋愛だからね」
「妬けるね」

聞き間違いだと思った。
彼に視線を向けたら、挑戦的に私を見ていた。
この目、嫌いじゃない。

「俺がなんで巡音に声かけたか、わかる?」

2人分の重みがかかって、ベッドが軋む音がした。
私は無言で首を横に振った。
神威の唇がキレイな弧を描いた。

「巡音が、俺に少しも色気使わなかったから」
「は?」
「俺に興味持たない女なんて、身内以外じゃ初めてだから、俺はお前が気になった」

だから、俺もお前の「気になる人」になりたかった。それだけ。

「そういうことで巡音、俺とつきあって」

返事は唇が塞がれたせいで言えなかった。
いつものように長いキスをして、いつものように、私は神威の良いように啼かせられた。


神威はいつもと変わってない気がした。





変わったのは、私?





翌日は、2人とも熱が上がって学校を休んだ。











放課後の教室で机にのさばってだらけていたら、廊下から自分を呼ぶ声が聞こえた。

「巡音さーん」
「ルカさーん」

私を呼んでいるのはバッチリメイクでいかにも男ウケを狙っているコ、約5名。
半ばウンザリしながら廊下に出た。
すると私が廊下に出るや否や、背が高い子が私を羽交い締めにした。

「巡音さん、神威くんとどういう関係なの?」
「へ?」

どういうって…あえて言うならセフレ?
いやいや、そんなことない。
一応、つきあってるらしい。

「『へ?』じゃないわよ。本気なの、遊びなの?」
「神威的には遊びかな」

正直、そうなんだよね。

「じゃあ聞くけど、なんであんたを保健室に連れて行くのがいつも神威くんなのよ?」
「し、知らないけど…席近いから?」
「あんたとぼけてんじゃないわよ!!」

右手が振り上げられた。殴られる―――…



『バシッ』



「ん?」

乾いた音がした。
でも痛みが無い。
恐る恐る目を開けてみると、揺れる揺れる、紫色。

「5対1は卑怯だろ?」
「か、神威くん!?あっあたし…」
「いいから、もう行け」
「ご…ごめんなさい!」

女の子たちはバタバタと走り去る。
全員いなくなってから、身替わりに殴られた神威が振り返った。

「神威…」

赤くなった左の頬に手を伸ばす。
軽く腫れている。

「巡音?」
「なーんか可愛い」

ムダに顔がいいから無様に赤くなった頬が、なんていうか…可愛い。

「…痛かったぜ?」
「ごめん。ほんっとにごめん」
「謝んなって。お前が殴られるよりマシだろ」
「なんか美味しいもんおごる」
「気にすんな。今から楽しませてもらうから」
「…見直したのに一気にどうでもよくなったよ」
「どうでもよくなられちゃ困るね」

神威に手を引かれ、誰もいない教室に入る。
教室で、ヤるのかな?
ちょっと、嫌かも。

「巡音」
「え?」
「一緒に帰ろ」
「あ、うん」

今から楽しませてもらうって言ったのに、何もしないのか。

「何、ここでヤりたかったの?」
「は?誰もそんなこと言ってませんけど」
「ははっ…巡音、今日さ、巡音んち行きたい」
「え?なんで」
「巡音と朝まで一緒にいたい」

正気かこの男。
そう思って斜め上を見上げたら、目があってしまった。

「ダメ?」
「…いいけど」
「マジで!?サンキュ」
「一人暮らしだし、問題ない」

そういう問題なの?って突っこまれたけど、事実だからね。

「んじゃ同棲しよう」
「バカじゃないの」
「体力要るよ?俺と同棲ってなると」
「そっすか」

並んで歩き始めた、歩幅は一緒。

「…ルカ、好きだ」
「…そっすか」

左手が、彼の右手に収まる。
色々順番間違えたけど、これでいいんだ。

もう、大丈夫。

「がくぽ」
「ん?」
「好き」
「ん」



もう、寂しくない。



fin...


ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

【神威がくぽ】非日常。【巡音ルカ】

学パロ、微エロ…なのか?? 「これはR18!!削除しろ!!運営!!」って思ったらコメントにどうぞお書きくださいな。 そのうち殿sideもうpしようかな。

閲覧数:27,634

投稿日:2011/03/11 04:05:54

文字数:3,435文字

カテゴリ:小説

  • コメント2

  • 関連動画0

  • むっちゃん

    むっちゃん

    ご意見・ご感想

    とても好きになりました。がくルカ大好きなので・・・・ はい ごめんなさい

    2012/07/14 17:10:43

  • アリサ

    アリサ

    ご意見・ご感想

    初めまして
    アリサと申します!


    読ませていただきましたが……
    何か,もう,「ひゃっほーい!!」とか叫びながら画面の前で変な踊りを踊っておりますwww


    がくぽぉぉぉぉお!!
    そしてルカァァァアl!!

    できれば,ルカ!
    変わってくだせぇぇ!!!!

    自分は,がくぽが大好きでありまして……
    はい!
    がくぽ大好きなんです!!



    取り乱しました
    すいません



    気に入っちゃいました
    ブクマさせていただきます

    それでは失礼しました!!

    2011/03/27 22:40:22

    • めるし

      めるし

      >アリサさん


      もちついてくださいwww

      こんな高校生いたら転校したいですね(*^ω^*)
      そしてそばで見てにやにやしていたい←

      そしてぅちもがくぽスキすぎて辛いです(^q^)


      こんな駄文で踊っていただけるとはwww

      もっと読みやすい文を目指して精進しますねw

      2011/04/10 21:53:52

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