貴方の支配下で　微睡んでいれば　良かった
羊水に揺蕩い　無償の愛で
肺腑を満たされて　沈んで　眠る胎児のように

思考を放棄して　視界を定めずに　繋がれ
陶酔に浸って　貴方の言葉に
選択肢をゆだね　静かに　行き場を無くしていく

ある日に　突然
現れたのは　黒尽くめ
貴方を　攫って
私の鎖　解いていった

足枷無く　地面に立つには
私の脚　酷く不安定
いとも容易く　手に入った自由
まるで無酸素　自由と孤独感
自由と孤独　違いは何処にあるの？

解放されたと　言えば　聴こえは良いね？

果ての無い自由に　唯恐怖に肩　震わせ
過呼吸と痛み　繰り返し続け
選択源無くし　宛て無く　行き場を捜していく

ある日に　突然
放り出された　この世界
束縛　解かれて
四角い箱の　外に出たの

魚でさえ　水槽のなかの
束縛得て　生きているのにね
それを嫌って　自由を望むのは
まるで自殺者　孤独死希望者
自由と孤独　違いは何処にある？

解放されたと　言えば　聴こえは良いね？

束縛が　私の存在　支えてたいたなら
解放は　私の存在　崩すものでしか…
いつかの夜　願っても　得られなかった　自由は
いつかの朝　拒否しても　押し付けられて　手のなか

人と人の　絆と繋がり
いつの間にか　鎖に成り果て
私を捕らえ　放しはしないけど
それで良いとも　思えてしまったの
歪みと歪み　違いは何処にあるの？

解放されたと　言えば　聴こえは良いね？


以下平仮名表記


あなたのしはいかで　まどろむんでいれば　よかった
ようすいにたゆたい　むしょうのあいで
はいふをみたされて　しずんで　ねむるたいじのように

しこうをほうきして　しかいをさだめずに　つながれ
とうすいにひたって　あなたのことばに
せんたくしをゆだね　しずかに　ゆきばをなくしていく

あるひに　とつぜん　
あらわれたのは　くろずくめ
あなたを　さらって
わたしのくさり　といていった

あしかせなく　じめんにたつには
わたしのあし　ひどくふあんてい
いともたやすく　てにはいったじゆう
まるでむさんそ　めまいとこどくかん
じゆうとこどく　ちがいはどこにあるの？

かいほうされたと　いえば　きこえはよいね？

はてのないじゆうに　ただきょうふにかた　ふるわせ
かこきゅうといたみ　くりかえしつづけ
せんたくげんなくし　あてなく　ゆきばをさがしていく

あるひに　とつぜん
ほうりだされた　このせかい
そくばく　とかれて
しかくいはこの　そとにでたの

さかなでさえ　すいそうのなかの
そくばくえて　いきているのにね
それをきらって　じゆうをのぞむのは
まるでじさつしゃ　こどくしきぼうしゃ
じゆうとこどく　ちがいはどこにあるの？

かいほうされたと　いえば　きこえはよいね？

そくばくが　わたしのそんざい　ささえていたなら
かいほうは　わたしのそんざい　くずすものでしか
いつかのよる　ねがっても　えられなかった　じゆうは
いつかのあさ　きょひしても　おしつけられて　てのなか

ひととひとの　きずなとつながり
いつのまにか　くさりになりはて
わたしをとらえ　はなしはしないけど
それでよいとも　おもえてしまったの
ゆがみとゆがみ　ちがいはどこにあるの？

かいほうされたと　いえば　きこえはよいね？