ある国に少年がいた 彼は人形使い
彼の想い人 可愛い人形


人形は国の宝 少年も人形を愛し
彼の夢は、一流の人形使い
愛しい少女の人形と一緒に 踊る夢
夢を追いかけて 毎日人形と歌う
彼の歌は 優しくて 少女は可愛らしい
それでも少年の 夢は遠い

ある国に少年がいた 彼は人形使い
まだ見習いの 幼い少年
それでも夢は光るから
彼は歌う 可愛い人形と踊る

だけどある日 国は人形を捨てる
けれど彼は、人形使い
愛しい少女を捨てられず 歌う夜
夢を抱いて眠り 切ない涙を溢す
彼の歌は 悲しくて 少女も泣いていた
そうして二人で 夜を泣く

ある国に少年がいた 彼は人形使い
まだ見習いの 幼い少年
だから夢を捨てられず
彼は歌う 可愛い人形を想い

だけど国は 剣を選んでしまった
けれど彼は、人形使い
剣を憎み少女を抱いて 逃げた朝
二人は手を取り合い 走り続けた
彼の歌は もうない 少女も歌えない
それでも二人は 祈るだけ

ある国に少年がいた 彼は人形使い
まだ見習いの 幼い少年
愛しい少女の人形と
彼は想う 二人で歌った日々を

ある日の二人 少年は言った
「僕の夢は、一流の人形使い
だけどもう夢は叶わない 歌えない
君と歌い踊った日々 忘れない
君の歌は 優しくて 大好きだよ
それでも僕は もう歌えない」

ある国に少年がいた 彼は人形使い
まだ見習いの 幼い少年
歌を愛し人形を愛した
彼は笑う 歌がないなら、


「 終 わ り だ よ 」


愛しい夢を抱いて ずっと眠ろうか
おやすみ 僕の愛した君
君だけは ずっと歌っていて
僕の愛した歌を君は

ずっと、壊れるまで

だって君は、僕の愛した 僕の人形


ある国に少年がいた 彼は人形使い
まだ見習いの 幼い少年
人形が愛した ただ一人の
彼はもう 歌わない


ただ、少女の人形が歌う 彼の歌

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • 作者の氏名を表示して下さい

人形使いの夢

5つ目。
「愚かな人形」シリーズの「あなた」の話。
少し長くなってしまいました(苦笑)
何があったのか、詳しくは書かないようにしました。
その辺は想像した方が素敵かな、なんて思ったので。

閲覧数:193

投稿日:2008/05/05 15:22:29

文字数:797文字

カテゴリ:その他

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