『ほんのささいな心の底を写した、二枚の青い幻灯。』


揺らいでみたり 転んでみたり
名前も分からないその経緯
泳いでみたり 浮かんでみたり
大切な返事を待ってる

跳ねてもすぐに 取り戻す地面
重力忘れるのはただ一瞬
立っている幻想 座ってる現実
出来ないなりの精一杯

ほんと些細だ 出会えたそこは
色んなことが相子の喧騒

水の中で 生きられたなら たとえば
水面昇る泡で 自分の呼吸が分かるかな
“空気の中 なのに溺れるくらいなら”
息を止める、度胸もないまま

話してみたり 殺してみたり
想いの行方はいつも気まぐれ
愛してみたり 嫌ってみたり
遠くへ流れてくあれこれ

閉ざしたカーテン 一面の白
染めてみようか 映してみようか?
立っている未来 座ってる現在
差し込む景色は目一杯

片手をあげて「おはよう」の挨拶
工合はどうだい 悪くないだろう

君の中に生きられたなら たとえば
心たゆたう思い出ひとつで 何か変わるかな
“デタラメだけ伝えて笑うくらいなら。”
大声で泣く 覚悟を抱えて


それはあまりに寄り道のすこしもなく降らされるから、見逃していたのかな。


君の中に生きられたなら たとえば
心たゆたう思い出ひとつで 何か変わるかな
“デタラメだけ信じて泣くくらいなら”
向かい合った、君はわらった。

誰かの言葉を借りただけの
でもね、歌いたかった詞


『私の幻灯はこれでおしまいであります。』

ライセンス

  • 非営利目的に限ります

【曲募集中】 ピアサイダー

※前のバージョンに読み(かな記載歌詞)や、イメージ補足があります。
特殊読みがいくつかありますので併せてご覧いただけると嬉しいです。

―――

あまりに青臭い、恋と葛藤と青春の歌。
途方もない幻想世界に焦がれて揺れて、二番煎じの言葉たちを、吐き出す。

―――

宮沢賢治を読むとだいたい当てられる。
夏休みの読書感想文を書くため買った課題図書が「双子の星」で、
なんとなく教科書に出た「やまなし」も記憶に残っていて、(双子の星とどっちを先に読んだんだったか…)、
「よだかの星」がクリーンヒットして文庫を買い、
「貝の火」が強烈に心に残った、そんな宮沢賢治作品との遍歴。
意外と、「注文の多い料理店」や「銀河鉄道の夜」などの有名所をきちんと読んだのは後のほうでした。

ということで、「よだかの星」モチーフの歌詞を以前書いたので(「シュプール・シュノーケル」)、今度は「やまなし」にチャレンジしてみました。
結局のところ何を指すのか謎の「クラムボン」が出てくるあのお話。

イントロ・アウトロ部分はその「やまなし」より。
冒頭「小さな谷川の底を写した二枚の青い幻灯です。」をいじり、
最後の「私の幻灯はこれでおしまいであります。」はそのまま引用しています。



*説明文の最初の「あまりに青臭い…」は「やまなし」に対する言葉ではなく、この歌詞に対するものです。

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投稿日:2010/08/02 23:55:21

文字数:614文字

カテゴリ:歌詞

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