ジャケット

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自我工作

本音を隠し嘘を堅め
なんとか日々演り過ごしてきた
喜び悲しみすらも
絵本からの仮面だった
そんな僕には当然
恋愛など絵空事の雨模様
彼女の愛情表現にも
惰性で報える日々だ

指を切った約束
声を貼ってお互いに
手を繋いで確かめて
目を離しても

ぼくは
本当は君などどうで善くて
ただ君が描くフィルムを的に
目指せるように僕自身を
「想造」していただけなのか?
自我の交錯した
集団孤独世界(マクロソリチュード)で
君を愛する”アイカギ”を創れたなら
それだけで
生きていける

本音を探し嘘を繋ぎ
なんとなく日々を遣り過ごした
悲愴も諧謔さえも
絵本から契り盗ったんだ
そんな僕には空前、
彼女は雲をつかむよな存在で
打製であしらった愛も
眺めることしかできなかった

指を切って血が出た
絆創膏貼ってくれた君と 
繋いだ手を二度と
放さないのは……

うそだ、
適当に君には答えを繕って
ただ君が求める僕の
あり方に縋って僕自身に
「応答」してただけなのか?
自我を自産する
独奏交響詩編(エゴエクリチュール)で
君に恋する恋鎖を断ち切れたなら
それまでだ
ぼくは消えて終うんだろうか

或る日突然
一枚の「画用紙」を渡されて、
「自我」を工作しろと
云われてしまったんだ
八月三十一日まで
持ち越す宿題みたいに
僕はそれが出来ない侭
大人に成ったんだ
なったんだ。

ぼくが、
僕であることの意味
それを君に押し付けていたんだ
確かの自分を「選ぶ」のは怖い
そうだね。
だけど、それはそうだ
君も同じと気付いた時
此の手に在った温もりがはじけた

そうだ、
正答など得られなくとも
いまこそ互いを違えてる
このキリトリ線に沿って
鋏を動かそうじゃないか
因果の錯綜する
多元意識劇場(カルテジアンシアター)で
君を哀する愛鍵を壊してみせるから
いますぐに
我“君ヲ想”ウ故ニ我在リ
握りしめた言葉の端
向き逢うべきは
僕でもなく君でもなかった
そうだね。
自我の交錯する
集団孤立社会(マクロソリチュード)で
ともに立ち向かおうと
手を取った瞬間に
セカイはそっと、
セイカイをつげた。

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投稿日:2015/04/18 21:58:13

長さ:04:59

ファイルサイズ:5.7MB

カテゴリ:ボカロ楽曲

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