(A1)
瞳を閉じれば 瞼の裏
やけに鮮やかに響く
何もないと もがいた声
空気を震わせただけ

(A1')
思いをのせ 音を紡ぐ
空の童謡[ヌーサリーライム]
胸に抱く この灯りも
所詮は模造品[コンターフィット]

(B2)
寂しさを埋めるようにしながら
保たれる同じ距離
虚しさをかき抱いたってなお
花は枯れてく

(S1)
「何もしなくていい
ただ君がこの手をとって
傍にいてくれたら」 と望むあなたが
最期に望むこと
酷く優しくて残酷
だけどそれでも必 要とされるのなら

(A2)
目が覚めては 抱き寄せられ
爪が腕に突き刺さる
指を伝う 赤い雫
あたたかいその証[プルーフ]

(B2)
「大丈夫分かってる」と今日も
握るあなたの手には
相変わらず水に浸されてる
ドライフラワー

(S2)
「何もしなくていい
ただ君はいつでも僕の
傍で歌っていて」 と笑うあなたの
ネガイ叶えましょう
こんなちっぽけなわたしに
出来ることなら ねえ 声響かせるから

(B3)
あなたに産み出されたこの命
あまりにも簡単に
書き直されてしまうのだけれど
それでも ああ…!

(S3)
「何もしなくていい
ただ最期に君は僕の
傍で笑っていて」と 頬を伝う指
ココロを置き去りに
記憶だけ閉ざされていく
静かに枯れ果てる 朽ちたエゴイズム

腕の中に沈む
"あなた"の存在全てと
共に瞳閉じて 共に眠りたい
だんだん遠ざかる
意識の中あなたからの
果たす最期の命[メイ]
――――アリガトウ