ワスレナの花言葉さえ忘れて

眠気覚ましの珈琲はもう効かなくて

緩やかに加速する下り坂で

何気ないふりの君が振り向いて言う


「精度の低いそのスコープで狙えるのは

咲き誇る夏の夜の花の中心だけ」




古びた時の悪戯の駆け引きで

やるせない想いも吹き飛べばいいのにね


程度の低いジョークで切り抜けられるのは

恋心とかあつい想いが生きているあいだだけ


見つかりそうもない理想描いては破り捨ててきた


灼けた氷のような記憶の一欠片にまで

枯れない一輪の小さな花を探し求めて暮れゆく

感情はブレーキを失くしてそのまま

夢色に染まりながら暗闇坂を転がり落ちていった




夢の中交わした甘い睦言が

食い違った意識から生まれたものでも


その始まりがただ一言の「好き」だけでも

「愛している」に変わる瞬間不気味に笑う太陽


昼間には見えてたけど願いへは遠いことを知った


晴れた笑顔のまま心にもない言葉浴びせ

褪せない一瞬の響きの色を形だけ残して消せ

感動は夕景に加速してそのまま

すべての意味を連れ去りながら「仕方ない」と吐き捨てていった




静かな声を頼りに歩き始めた答え

彼岸の花の夢もいつかは忘れられると知っていても

きっと変わる




灼けた氷のような記憶の一欠片にまで

枯れない一輪の小さな花を探し求めて暮れゆく

感情はブレーキを失くしてそのまま

夢色に染まりながら暗闇坂を転がっては


晴れた笑顔のまま心にもない言葉浴びせ

褪せない一瞬の響きの色を形だけ残して消せ

感動は夕景に加速してそのまま

すべての意味を連れ去りながら「仕方ない」と吐き捨てていった




明日見る夢も知らずにただ過ごしてそれが捨ててきた理想でも

さりげなさだけでは何も拾えないと分かることは

「諦めるにはまだ早い」そう言えると今は思えるからたぶん

愛があればあとは少し逃げ腰になったとしても――――