(A)小さな耳朶に 口唇寄せて
舌を這わせて 零れる吐息
朱い紅は 乱して溶けた
誘う緋牡丹 堕ちたのは運命

(B)刻を悟られぬよう 瞳は伏せて
背中越し 月明かりだけ見つめ
他に何も 考えないで
白い障子 写る影
剥き出しの本能に眩暈がする


(S)決して決して 結ばれぬなら
牡丹と蝶は
何故出会ったのか
宵闇の舞い手 蝶の口づけ
それが運命なのだとしたら

蝶と牡丹
何故邂逅果たした
明けの明星 涙の雫
これが宿命だとでも言うの



(A-2)細い指先 口に含んで
舌を這わせて 零れる吐息
白い肌は 仄か色付く
揺れる緋牡丹 堕ちたのは宿命

(B-2)悲哀語らせぬよう 口唇は塞ぐ
爪を立て ただ今だけを感じ
他の何も 考えないで
灯り燈る 昏い部屋
さらけ出す欲望に眩暈がする


(S-2)永久に永久に 結ばれぬなら
牡丹と蝶は
何故出会ったのか
花やぐ色街 煙管の煙
それが宿命なのだとしたら

蝶と牡丹
幾千の希望さえもが
宵の明星 淡い夢想
これが運命だと突き付けて


(C)艶めく微笑 向ける相手
総てに嫉妬をしても
全てに意味は無い
泣いてる君に 微笑みかけて
「大丈夫だよ」
叶いもしない 嘘を吐く

(D)白い喉 指を這わせて
締めつけたなら 叶うだろうか
細い肩 刃突き立て
切り裂いたなら 幸福なのか
それが宿命なのだとしたら
来世は二人 共にあろうか


(A)小さな耳朶に 口唇寄せて
舌を這わせて 零れる吐息
朱い紅は 乱して溶けた
誘う緋牡丹 堕ちたのは運命

(A-2)細い指先 口に含んで
舌を這わせて 零れる吐息
白い肌は 仄か色付く
揺れる緋牡丹 堕ちたのは宿命


君を奪う夢を視る
地獄の果てに 逃れる夢を