A1-
誰も知らない森の
茨のつたう館
静寂壊す時計
鳩が呼ぶのは誰だ？

ローソクに火が灯り
地下室のドアを照らす
濃くなる闇の中で
目を覚ますのは誰だ？

-B1-
「さぁ、今夜参りましょう」
薔薇の花くちづけして
「あぁ、とても空腹なのよ」
マントひるがえして街へ

-S1-
生娘の白い柔肌求めて
月の下で踊る麗しきヴァンピール
妖しい瞳に心奪われて
気が付いた時には快楽の生贄に

舌から　あふれる　秘密の　甘いエキス


-A2-
警告の雷鳴が
夜更けの窓を叩く
大事に隠した箱の
花の蕾は何処に？

何度も鍵をかけて
安心してるつもり？
寝息の音に混じる
足音がすぐそこに！

-B2-
「今晩は、御機嫌よう」
白い手にくちづけして
「あぁ、とても美味しそうなの」
鮮やかに染まる紅

-S2-
生娘の白い柔肌求めて
闇の中で踊る淫美なるヴァンピール
獲物にされたらもう逃げられない
すべて吸いつくされ享楽の生贄に

下から　とろける　甘美の　赤い果実

-B3-
「約束をいたしましょう」
首筋にくちづけして
「またいつかお会いしましょう」
名残惜しむ手をほどいて

-S3-
生娘の肌に深い跡残し
霧の中に消える妖艶のヴァンピール
満たされる事無い渇きに餓えて
今宵また何処かで官能の晩餐を

したたる　雫は　乙女の　赤い涙