水墨の描く深い霧揺蕩う
谷の奥ヶ淵 住まいし双龍

壱は空の下 雲を身に集わせ
弐は大地の上 草葉を揺るがす

地を見やれ 天仰げ
風よ吹け 雨よ降れ
人の子に届きませ
我が心 我が愛よ

与うは今宵の
夢見の褥を
安寧を

恐怖の帳が祓えぬのならば歌おう
眠り奪う深き暗き 忌し夜に
天も地も境無く そこに在るは混沌
只に唯に永久に永遠に 夢のように
時を経て出でし者 其の身朽ち果てても
陰に陽に分かち育ち 今の世に
我が身よと思われど己が身ではなしと
伝え記せ子らへ孫へ 開闢の詩


傷痕の描く深い煙纏う
谷の奥ヶ淵 隠れし双龍

壱は空の上 滲む声震わせ
弐は大地の下 涙を染ませる

地に縋れ 天に伏せ
血の清流 神嘆き
人の子に届きませ
我が愛よ 我が痛み

与うは彼の身の
憾みの 怨みの
始まりを

片割れとて奪わせぬ愛し人の子らの
夢を 終を 朝を 夜を 安穏を
天も地も境無き いつか見し創世
憶え忘る深き浅き 暗澹の
瘴煙厭う雲居龍 咆え猛り地を呑む
溢れ 沈む 還り 朽ちる 暗然へ
厄災厭う根住龍 啼き叫び天裂く
一つ 一つ 絶やす 守る 終末の詩


地を溶かせ 天穿て
芦の灰 五色石
片割れに届きませ
我が痛み 我が嘆き

望むは人の子
彼らの永久への
安寧を


壱と弐に分かたれし 黄の対 双龍
牙を交わす 爪を弾く 夢の様に
荒れ狂いし現世 その先の未来を
願い望み壊し創り 明くる夜に
時を経て混ざりては 幾度なく分かたれ
天と地に鏡写し 今の世に
我が身よと思われど己が身ではなしと
伝え記せ子らへ孫へ 開闢の詩

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
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黄の双龍

中国神話、天地創造。
そんな妄想でできています。

一対として天地を治める人間達の守り神様。
人界の混乱(戦とか)を見て悲しいなぁと思った。
壱――天の神はこのまま荒み壊れる世界なら、人間達を消す事で永遠の安寧をあげようと嘆く。
弐――地の神はこのまま荒み壊れる世界でも、人間達が自分で勝ち取る安寧を信じ対立する。
二神の争いは激しく、天地のどちらもわからなくなるほど。
時に壱が地を飲み込み混沌へと戻し、時に弐が天を引き剥がし世界を戻す。
果たしてどう結末がついたのか、いつしか双龍はその姿を消し、天地は現在のように混ざる事もなく静かになっているそうな。

閲覧数:327

投稿日:2015/03/20 01:27:56

文字数:678文字

カテゴリ:歌詞

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